NFT価格を吊り上げるウォッシュトレード、4兆円以上か:調査

ウォッシュトレード(取引の買い手と売り手が同一だったり、買い手と売り手が共謀したりする市場操作の一種)が、NFT市場を悩ませ続けていることは周知の事実。しかも、Dune Analyticsの最近レポートにより、問題はより深刻化している。

匿名リサーチャーのhildobbyが12月16日に発表した分析によると、2022年のイーサリアムブロックチェーンでのNFT取引高の半分以上(58%)をウォッシュトレードが占めた。1月が最も多く、取引高の80%以上を占めたという。

疑わしい取引を抽出

hildobbyは、以下4つのフィルターを使ってウォッシュトレードの可能性が高い疑わしい取引を抽出した。

  1. 同じアドレス間で行われた取引を除外。
  2. アドレスが異なる2つのウォレット間で同じNFTが往復して取引されているかどうかをチェックした。これは最も一般的なウォッシュトレードの手法の1つ。
  3. あるアドレスが同じNFTを3回以上購入した場合は、あり得ない状況と判断し、ウォッシュトレードとしてフラグを立てた。
  4. NFT取引の買い手と売り手が、同じウォレットを使っていた場合、両者のつながりは明らかなので、ウォッシュトレードと見なした。

上記4つのフィルターを適用したところ、300億ドル(約4兆円)以上の取引がウォッシュトレードに関連する可能性が高いことが判明した。数字は驚異的だが、これはイーサリアムブロックチェーンで行われた全取引のわずか1.5%ほどに過ぎない。

「よく耳にする『総取引高』の約半分は、システムを悪用したものであり、正規の取引ではない」(hildobby氏)

シェア競争が原因

データによると、NFTマーケットプレイスのLooksRareとX2Y2(どちらもプラットフォームへの参加に対してトークン報酬を提供している)はウォッシュトレードの割合が高く、98%と87%だったという。

Hildobby氏は、ウォッシュトレードの増加について、NFTマーケットプレイス間で取引高シェア競争が激化していることが原因と指摘した。

「取引高を獲得し、最も成功したマーケットプレイスになるための競争で優位に立つ方法として、利用を奨励するスキームがすぐに登場した。つまり、広く引用されている多くの統計は良くても誤解を招く程度で、現実とまったく一致しない利用状況を描き出している」(hildobby氏)

ウォッシュトレードはアメリカでは違法だが、追跡することは難しい。2月、ブロックチェーン分析会社チェイナリシス(Chainalysis)は、ほとんどのウォッシュトレーダーが以前は高い取引手数料のために利益を上げていなかったが、110人のウォッシュトレーダーは2020年、840万ドル(約11億円)を手にしたと報告している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Ryan McGuire/Pixabay
|原文:Over $30B of NFT Trading Volume on Ethereum Is Wash Trading, Research Suggests