分散型取引所のオスモーシス、アップグレードでクロスチェーン取引の効率化を目指す

コスモスを基盤にした分散型取引所(DEX)のオスモーシス(Osmosis)は1月18日、製品統合を拡大し、クロスチェーン取引をトレーダーにとって収益性の高いものにするというより広範な計画に沿って、「Neon」と呼ばれるv14.0.0へのアップグレードを実施することを発表した。

協定世界時(UTC)1月23日16時にブロック高7937500で行われる予定のこのアップグレードには、重要で有効な内容が多数含まれている。

アップグレードの重要な特徴の1つは、オスモーシスの流動性プールにおける幾何学的TWAP(Time Weighted Average Pricing)の実装だ。金融の世界では、TWAPとは指定された期間の資産の平均価格を指す。TWAP戦略とは、バイナンス(Binance)のように、大量の注文を少量に分散して一定の間隔で実行することで、大量の注文が市場に与える影響を最小限に抑えるためによく使用される。

上記により、オスモーシス上に構築されたプロトコルは、プロトコルに関連する2つの価格設定メカニズムから選択して、ユーザーに「集中流動性」を提供できるようになる。これは、DEXを使用する資本効率を向上させ、流動性プール(LP)の報酬を改善するためのデザインだ。

流動性プールとは、ユーザーからDEXに供給されるトークンのことで、これによりユーザーは取引手数料の分配や無料のトークンと引き換えに流動性プロバイダーとなるインセンティブが与えられる。

また、このアップグレードにより、価格決定がより効率的になり、上方への価格操作を利用した流動性攻撃を食い止めることができるようになる。以前、このような操作によって、悪意ある人物がDEXから1億ドルを手に入れたことがあった。

さらに、「Neon」はダウンタイム検出モジュールを導入し、オスモーシス・ネットワークが稼働しているかを検出し、オスモーシスの価格データに依存する他の融資プロトコルでの不適切な清算を防止する。

オスモーシスの開発者は、信用貸付および借入市場であるマーズ・プロトコル(Mars Protocol)の統合の道を開くために、このアップグレードを迅速に展開することが重要だと述べた。

アップグレードが完了するまで、ユーザーはオスモーシスを使用できなくなり、ステーキング機能とガバナンス機能も使用できない。

オスモーシスのネイティブトークンのOSMOは過去24時間で3%下落しており、これは市場全体の下落と一致している。同プロトコルの預かり資産(TVL)は現在1億6000万ドル(約205億6000万円)で、2022年のピーク時の16億ドル(約2056億円)から90%減少している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Cosmos DEX Osmosis to Make Cross-Chain Trades More Efficient With Neon Upgrade