ソラミツ、ラオス中央銀行とCBDC実証実験

ソラミツは2月6日、ラオス中央銀行決済機構局と中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験(PoC)に向けた覚書(MOU)を締結したと発表した。

ラオス中央銀行は、同社が開発したシステムを用いて、2月7日から首都ビエンチャン市内の店舗での支払いなどのCBDC実証実験を開始。実証実験の結果をもとに、ラオス中央銀行はCBDCの正式運用開始に向けてさらに研究を進めていくという。

リリースによると、ソラミツは、ラオスにおいて2021年12月から1年間、独立行政法人国際協力機構(JICA)が開始したプロジェクトのもと、ブロックチェーンベースの決済インフラに関する実現可能性調査を実施。その後、ラオス中央銀行と共同でCBDCの研究を継続し、CBDC実証実験開始の合意に至った。

実証実験のプロジェクト名は「DLAK」(Digital Lao Kip:デジタルラオスキープ)。

2月7日から、ラオス中央銀行、在ラオス日本大使館、JICAの関係者がビエンチャン市内の店舗でのCBDC実証実験に参加する予定。 今回の実証実験には、2020年10月からカンボジアで正式運用を開始し、現在まで2年以上にわたって順調に稼働している「バコン」システムをベースに、ラオス向けに修正したシステムが使用される。

リリース資料より

ラオス中央銀行のCBDC実施の目的として、以下の3つがあげられている。

  1. 銀行口座にアクセスできない人々にデジタル金融サービスを提供するために、より広範な国民への金融包摂の提供。
  2. 近隣諸国などの移民先からの国際送金の送金時間と送金コストの削減。
  3. CBDCにより、他国に依存しない通貨を通じての経済安全保障を確保するなど、決済システムの高度化を促進。

実証実験の結果は、CBDC要件の改善、ラオスの金融情勢の課題に対する解決策を探るために使われ、さらに、ラオス中央銀行によるCBDC正式運用開始に向けた検討に活用される。

|編集:増田隆幸
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