ビットコインの2万8000ドル割れ、オプション期限切れが一因

ビットコイン(BTC)は、数十億ドル相当のオプションが期限切れとなり、一部のトレーダーがのイーサリアムベースのラップバージョンであるWBTCに弱気の賭けをしたため、3月31日に下降圧力を受けながら取引された。

米CoinDeskのデータによると、時価総額第1位の暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは、3月30日に2万9000ドル以上を維持することができず、ヨーロッパ時間に1%下落して2万7546ドルになった。協定世界時(UTC)8時には、取引量とオープンインタレスト(未決済建玉)で世界最大の暗号資産オプション取引所であるデリビット(Deribit)が、40億ドル(約5330億円)以上の価値のあるビットコインオプションを決済した。

ビットコインは四半期オプションの有効期限を前に2万8000ドルを割り込んだ。(CoinDesk/Highcharts.com)

暗号資産運用会社Blofinのボラティリティ・トレーダー、グリフィン・アーダーン(Griffin Ardern)氏は米CoinDeskに「この価格下落は、受け渡しと決済、マーケットメーカーが市場中立を維持するためにスポットと契約を売ることの影響である可能性が高い」と話した。

マーケットメーカーは、買い注文と売り注文を作成することで流動性を提供し、中立的なエクスポージャーを維持しながら、ビッド・アスク・スプレッドを通じて収益を得る。彼らは常に投資家の反対側におり、しばしばスポット市場で原資産の暗号資産を取引したり、オプション市場で強気/弱気のエクスポージャーのバランスを取るために永久先物を売買したりする。

状況証拠はアーダーン氏の主張を裏付けている。ビットコインは、UTC8時までの1時間に2万8100ドルから2万7546ドルに下落した。デリビットはUTC8時に四半期のオプション契約を決済している。

匿名アナリストの@52kskewがツイートしたチャートは、デリビットに基づく永久先物市場の累積ボリュームデルタ(CVD)が、決済時刻の前に急激にマイナスに落ち込んでいることを示している。CVDがプラスで上昇することは、買い手が多く動いていることを意味し、CVDがマイナスになることは、売り手が積極的に動いていることを意味する。

借りたものを空売り?

借りたWBTCの売却、つまりショートは価格を下げるための脇役になった可能性がある。WBTCは、最大のスマートコントラクト・ブロックチェーンであるイーサリアム上のビットコインの最大のラップバージョンであり、BTCと1対1で交換することができる。

スイスに拠点を置くブロックチェーンデータ企業Santimentのデータによると、支配的な分散型融資プロトコルのアーベ(Aave)から借りられたWBTCの数は、2週間で29%増の3220BTCに上った。

トレーダーは、アーベようなDeFiプラットフォームから借りたWBTCトークンをショートすることで、ビットコインに対する弱気な見方を示すことがある。

「WBTCの慎重な借り入れが見られるのは、それほど異常なことではないが、人々がショートを始めたようにも見える」とSantimentは市場アップデートで述べていた。

アーベから借りたWBTCの数が増えているのは、ビットコインに間接的に弱気な賭けをすることへの関心が再び高まっている証拠だ。(Santiment)

アーベから借りたWBTCの総額のピークは、ビットコインの価格の底と一致しているとSantimentは指摘した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk/Highcharts.com
|原文:Bitcoin Drops Below $28K as Options Expire, Traders Borrow WBTC From Aave