ユガラボのメタバース「Otherside」、2回目のテスト運用に7000人以上が参加

ユガラボ(Yuga Labs)は3月25日、独自メタバース「Otherside」の2度目のテスト運用となる「Second Trip」を完了させた。コミュニティメンバーは、今年ローンチ予定のOthersideで何が起こるのかを垣間見ることができた。

ユガラボによれば、90分のテスト運用に参加したのは約7200人のプレイヤー。Othersideの土地を表すNFT「Otherdeed」の保有者が招待され、保有者1人につきもう1人のゲストも参加が許された。

CoinDeskはこの非公開イベントにゲストとして参加し、他の参加者と交流したり、アクション盛りだくさんのストーリーに参加することができた。

メタバースへトリップ

スタートからユーザーは、人気MMOPRG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)とNFTカルチャーの要素を組み合わせたSFファンタジーの世界へと誘われた。

まずユーザーは、アバター操作や他のプレイヤーへのメッセージ送信に慣れるために誰もいないアリーナ「Infinity Space」に入って旅を始めた。参加者は少数のグループで集まったり、互いに話しかけることができた。プレイヤーは近くにいる他のプレイヤーとのみ会話ができ、実世界を真似ることを意識した作りになっているとユガ・ラボの最高クリエイティブ責任者マイケル・フィッゲ(Michael Figge)氏は説明した。

Otherside Second Tripのスクリーンショット(CoinDesk/Cam Thompson)

20分ほどすると、Infinity Spaceに大型スクリーンが登場。Bored Ape Yacht Club(BAYC)のマスコットで、今回のエクスペリエンスのホスト役のCurtisからのメッセージが表示された。

Curtisは参加者を4色のグループに分け、それぞれのキャプテンを発表。ユガ・ラボのコミュニティプログラムマネージャーLowbellieが率いるLuster(黄)、ツイッチ(Twitch)のストリーマーBrycentが率いるCrimson(赤)、スヌープ・ドッグの息子でNFTコレクターCordell Broadusが率いるVeldan(緑)、ゲーマーJimmy Wongが率いるGlacia(青)の4グループだ。

参加者の服装は所属するグループのチームカラーに代わり、グループごとに集められた。その後ワームホールが開いて、プレイヤーはチームごとのエリアに移動。課題を完了させて、ポイント獲得を目指した。ゲームには口から炎を吐くヒキガエルに与える「魔法の塊」を集めるなど、奇妙な指示がいくつもあった。参加者は走ったり、ジャンプしたり、飛んだりして、多次元的なスペースを探索した。

Otherside Second Tripのスクリーンショット
出典:CoinDesk/Cam Thompson

飼ったのは青チーム。青チームのメンバーには、羽のついたヘルメットが与えられた。ユガ・ラボによれば、ウォレットにエアドロップされるという。

期待大

既存のメタバースエクスペリエンスには、お粗末なグラフィックスやタイムラグ、探索しにくいバーチャルスペースなどの問題があるが、Othersideのユーザーエクスペリエンス(UX)は比較的安定しており、使いやすかった。

特にディテールが作り込まれており、何千ものプレイヤーが一度に参加していたにもかかわらず、混雑状態が広がることはなかったようだ。

プレイヤーたちからの感想もおおむね好意的なもので、多くの人たちがプラットフォームの未来に楽観的な意見を表明している。

「OhtersideへのSecond Trip。1回目に比べてよりスムーズで驚きに満ちていた。一部のApe保有者は参加できなかったようだが、Othersideの世界を強く信じ続けるべきだろう。ビッグな取り組みだ!」

「ゲーマーではない者として、OthersideのSecond Tripはweb3メタバースの可能性について楽観的な気分にさせてくれた。ApefestのOtherside BAYCクラブハウスが待ち遠しい。

ゲームの資格情報が証明されていないと主張する人たちもいるが、それはまた別問題のようだ」

もちろん、接続性の問題について不満を言ったり、謎に包まれたままのゲーム内アイテムの重要性を疑問視する人たちもいた。

「Otherside Second Tripについての感想:
– ゲームのデザインが単純過ぎて、退屈になった(正直に言うと、終盤はDiabloにスイッチした)
– 接続できない人たちがいた。これは明らかに大きな問題
– リソースの使用、アイテム、Koda、Deedなどについて疑問がまだ残っている」

公開リハーサル

Othersideのゲーム化は、公式ローンチに先立って興奮を高め、ユーザーに慣れ親しんでもらうためのユガラボの戦略の一環だ。ユガラボは2022年7月に「First Trip」を開催し、4600人のプレイヤーを初めてOthersideに迎え入れた。Second TripでOthersideに戻ってきたプレイヤーは、アドベンチャーを記念するNFT「Obelisk」を獲得できた。

NFTマーケットプレースのオープンシー(OpenSea)によると、Otherdeed NFTの取引高は10億ドル(約1310億円、1ドル131円換算)強。当記事執筆時点のフロアプライスは、1.67ETH(約3000ドル、約39万円)。

フィッゲ氏によれば、公式ローンチに先立って、さらなるTripが予定されているという。同氏はNFT保有者が常にアクセス可能となるようなエコシステム開発に力を注いでいる。

「First TripとSecond Tripでは、壮大で劇場のようなエクスペリエンスを提供した。ブロードウェーの90分のショーのようなものだ」とフィッゲ氏。「しかし、これまで開発したテクノロジーすべてをより頻繁にアクセス可能なOthersideの開発に注ぎ込んでいる」と続けた。

各Tripで、上手くいった部分、微調整が必要な部分についてのフィードバックが得られる。ユガラボの最高ゲーミング責任者スペンサー・タッカー(Spencer Tucker)氏は、Second Tripの最大の収穫は、プレイヤーが他のプレイヤーとの関係を強めるために、より親密なコミュニティ構築のエクスペリエンスを望んでいることがわかったことだと語った。

「これから開発を進めるにあたって、間違いなく考慮する点だ。持続性は必要だが、自分らしいアイデンティティを持ち、仲間グループを形成できるようにすることも必要だ」「持続的なスペースがどんなものになるかを検討するにあたって、人々が立ち止まって花の香りを嗅げるようにつつつ、非常にクールなエクスペリエンスに飛び込めるようにもしていきたい」(タッカー氏)

Third Tripの日程はまだ決まっていない。しかし、フィッゲ氏とタッカー氏はこの先、NFT保有者がOthersideに入り、より高度なエクスペリエンスを体験するチャンスがあると語った。

|翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸
|画像:Yuga Labs
|原文:Over 7,000 Players Successfully Converged in Yuga Labs’ Otherside Metaverse ‘Second Trip’