ビットコインは年初来高値圏を維持、ゴールドの上昇についていけるか?【bitbankチャート分析】

ビットコイン週足

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  • ビットコインの週足は現在、370万円近辺で取引されています。先週の週足は2.6%上昇しており、終値ベースの年初来高値を更新しました。3月2週目に2月の高値だった340万円を超えると価格は大きく上昇しました。現在も約2カ月間移動平均線(8EMA)の上位で推移し、強い値動きとなっています。
  • 週足では上昇トレンドの発生が確認されているものの、価格が昨年5月の高値に近づいたことで足元で上値が重くなっています。ここ3週間は高値圏で揉み合う展開となっています。

ビットコイン日足

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  • ビットコインの日足は現在、2つの移動平均線の上位で推移し強気の値動きを見せています。3月22日に280万円にタッチして以降は、上値が重くなり高値でレンジの推移となっています。日足は一目均衡表の雲の上位で推移し、長期のテクニカルでは強気シグナルが出ています。
  • 足元でレンジでの推移が続いているため、相場のモメンタムを示すMACDは下落傾向です。ボラティリティ指数のADXは下落しており、相場のトレンドが弱い状態にあることを示しています。ビットコインの値動き自体は底堅いため、今後インジケーターが再度上昇してくるか注目です。
  • ビットコインのチャートは、週足、日足ともに強気な状態となり今後も底堅い推移が予想されます。足元ではモメンタムの低下が示唆され、短期的には高値から売られる可能性があります。強く押す展開があれば買い戻される動きになるでしょう。

ゴールド週足

Tradingview
  • ゴールドの週足は、今週2.7%上昇しており2000ドル台に価格を乗せました。約1年ぶりに過去最高値圏まで上昇しています。足元でアメリカの金利が下落していることが影響し、ゴールドが買われています。ドル安の流れが加速しており、投資資金がコモディティ市場に流入していることを示しています。ビットコインとゴールドの値動きは相関性が強く、ゴールドが買われている間はビットコインの相場も底堅く推移することが期待されます。

3カ月先の先物取引と現物の価格乖離率

glassnode
  • 上記のチャートは、ビットコインの3カ月先の先物取引と現物の価格乖離率を示したチャートです。乖離率は足元で3.2%程度で推移しています。先物取引は現物価格より高い水準で取引されていることがわかります。デリバティブ市場では投機筋が3カ月先のビットコイン価格の上昇を織り込んでいます。先物取引は現物より高い水準で取引されている一方、2月の水準と比べると現在の乖離率は低い状態にあります。2月には乖離率が一時5%近くまで上昇しており、相場に過熱感がありました。現在は乖離率が3%前後に抑えられており、まだ買われる余地があると考えられます。

真田雅幸:ビットバンク(bitbank)マーケット・アナリスト──カリフォルニア州立大学で経済学を専攻し社会のお金の流れについて興味を持つ。大学在学中にビットコインに興味を持ち、bitbankで業界に関する調査業務を行いながら同社のメディアで寄稿を行う。2015年冬頃からビットコインへの投資、トレードを徐々に始める。最近は基本的なテクニカルに加え、デリバティブ情報やオンチェーン情報も分析しながらトレードを行う。