Datachain、Interchain Foundationの助成金に2度目の採択──IBCによるインターオペラビリティを本番環境で実現へ

Datachainは4月6日、Cosmos/IBCエコシステム(※)を推進するInterchain Foundationの助成金に採択されたと発表した。2021年10月の国内初の採択に続き、2度目という。

Datachainは、異なるブロックチェーン同士をつなぐインターオペラビリティに注力、なかでもコスモス(Cosmos)コミュニティを中心に利用が広まるIBC(Inter-blockchain communication)を用いたインターオペラビリティ(相互接続性)に取り組んでいる。

今回の助成金により、IBCのソリディティ(Solidity)実装「IBC-Solidity」におけるプロダクション環境での使用を前提とした改善に取り組むとしている(ソリディティは、イーサリアムブロックチェーンで用いられるプログラミング言語)。

ユースケース

IBC-Solidityのユースケースは、イーサリアムブロックチェーンやEVM(イーサリアム仮想マシン)互換性を持つブロックチェーン(BNB Smart Chain、Polygon、Avalancheなど)、エンタープライズ向けのイーサリアムブロックチェーン(Hyperledger Besu、GoQuorum)などでも、IBCを用いた異なるブロックチェーン間のインターオペラビリティが実現できるようになること。

実例としては、三菱UFJ信託銀行が推進するステーブルコイン発行・管理基盤「Progmat Coin(プログラコイン)」では、IBC-Solidityを活用することで、GoQuorumとCorda間のインターオペラビリティ実現に向け検証を進めている。

パブリックブロックチェーン間の相互接続、パブリックブロックチェーンとエンタープライズブロックチェーンの相互接続にも応用が可能だという。

Datachainは3月、三菱UFJ信託銀行、ソラミツと異なるステーブルコイン間の相互移転・交換の実現に向けた技術提携の開始を発表している。

※Cosmos/IBC:コスモス(Cosmos)は「ブロックチェーンのインターネット」の構築を目指す、相互運用性を兼ね備えたブロックチェーンネットワーク。IBC(Inter-blockchain communication)は、Interchain FoundationおよびCosmosプロジェクトによって策定が進んでいるブロックチェーン同士の相互運用性を担保するための仕様標準。

|編集:増田隆幸
|トップ画像:リリースより