タイの野党党首、全国民へのデジタル通貨給付を選挙公約に

タイの首相候補が、5月に予定されている総選挙で自党が政権を取った場合、国民全員にデジタル通貨1万バーツ(約3万8600円)の給付を約束した。

バンコク・ポスト紙によると、不動産王のSrettha Thavisin候補は、自身の政党「Pheu Thai」が次の選挙で勝利した場合、「デジタル通貨」によるベーシックインカム型の経済刺激策を約束している。

Thavisin氏は、この施策は周辺諸国の中で最も高い家計負債を抱えるタイの国民に経済的救済をもたらすと述べている。

「我が国はこの8年間、経済的に打撃を受け、国民の収入は減り、出費は増えている」とThavisin氏はブルームバーグの報道を引用して語っている。「現政権は点滴のように少額の給付金を行ってきた。それは正しい方法ではなく、正しく経済成長を刺激するものでもない」。

Phue Thaiの広報担当者にどのようなトークンがエアドロップに使用されるのかについて、ツイッター(Twitter)でコメントを求めたが、すぐに返答はなかった。

2021年、中央銀行であるタイ銀行は、バーツに連動したステーブルコインは違法であると宣言した。

バンコク・ポスト紙は、首相府の大臣であるThanakorn Wangboonkongchana氏の発言を引用し、エアドロップの提案は国全体の金融システムに「大きな影響」を及ぼすとしている。また、貧困の緩和に資金を投入するのではなく、このような使い方をするのはいかがなものかと疑問を呈する人もいるという。

ロイター通信によると、最近の世論調査では、Pheu Thaiは約46%の支持を集めており、選挙は接戦になりそうだという。

暗号資産(仮想通貨)が重要な役割を果たしたアジアの選挙は、今回が初めてではない。

2022年3月に行われた韓国の大統領選挙では、尹錫悦候補が暗号資産の規制緩和を公約に掲げ、対立候補に0.73%の僅差で勝利して大統領に就任している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:タイの首都バンコク(Shutterstock)
|原文:Head of Thailand’s Opposition Party Promises $300 Crypto Airdrop if Elected Prime Minister: Report