イーサリアム、2000ドル超え──シャンハイ翌日に上昇

イーサリアム(ETH)は、待望のアップグレード「シャンハイ」を完了させた翌日、13日午後も最近の強さを維持した。当記事執筆時点、ETHは2015ドル付近、24時間で5%以上上昇した。

シャンハイ、あるいはシャペラ(Shapella)は、2022年9月の「Merge(マージ)」で始まったプルーフ・オブ・ワーク(PoW)から、よりエネルギー効率の高いプルーフ・オブ・ステーク(PoS)コンセンサスメカニズムへの移行に続くものだった。

シャンハイ/シャペラまでの数週間、ETHの価格動向について市場関係者の意見は二分し、売り圧力によって下落すると予測する者もいれば、影響は少なく、価格は上昇すると予測する者もいた。

機関投資家向け暗号資産プラットフォーム、Anchorage Digitalの共同創業者兼社長のディオゴ・モニカ(Diogo Monica)氏はアップグレード後のCoinDeskとのインタビューで、投資家はETHを安定して長期保有し、供給の減少につながると語った。モニカ氏は「チェーン上に直接流動性がある。加えて、イーサリアムネットワークでアップグレードが成功するたびに需要は増加している。これが価格が大幅に下落しない2つの主な理由」と指摘した。

さらにモニカ氏は、ETHを引き出そうとするバリデーターは引き出し待ちの行列に加わることになるため、機関投資家は少なくとも当面は「様子見」となるだろうと続けた。

今後数週間の間に「引き出し待ちの行列がどのように推移するか」、そして「これまでステーキングをしていなかった人たちにとって、ステーキングを安心して始められるような流動性パターンになるか」は、機関投資家が現在感じている疑問だとモニカ氏は続けた。

アップグレード前のコインベース・リサーチ(Coinbase Research)のレポートによると、シャンハイ前後のETHのパフォーマンスは「テクニカル要因」よりも「リスクが実際にどう動くか」に依存するという。

「取引環境でリスク資産が売却されれば、人々はリスク回避のためにステーキングを解除してETHを売ると決断するかもしれないが、機関投資家はバイサイドにさほど積極的には踏み込まないかもしれない」とアナリストは記している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Ether Jumps Above $2K a Day After Ethereum Shanghai Upgrade