テザー社、第1四半期は14億8000万ドルの純利益──ビットコインとゴールドの保有高も明らかに

ステーブルコインのテザー(USDT)を手がけるテザー(Tether)社の2023年第1四半期の純利益は、5月10日に発表された最新の監査保証報告書によると、14億8000万ドルとなり、2022年第4四半期の2倍に達した。

テザー社は今回初めて、ビットコイン(BTC)とゴールドの保有高の詳細を明らかにした。3月31日時点、テザー社の貸借対照表にはビットコイン15億ドル(約2000億円、1ドル135円換算、準備金約800億ドルの約2%)とゴールド34億ドル(約4600億円、準備金の約4%)が計上されている。

ステーブルコインの勝ち組

この春、時価総額1310億ドルのステーブルコイン市場は混乱に陥った。2023年3月に起きたアメリカの銀行危機により、時価総額第2位のステーブルコインであるサークル(Circle)社のUSDコイン(USDC)は一時、ドル連動を失い、その影響でいくつかのステーブルコインもドル連動を失った。

米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)は2月、時価総額第3位のステーブルコインであるバイナンスUSD(BUSD)の発行を手がけるパクソス(Paxos)に発行停止を命じた。また米証券取引委員会(SEC)はバイナンスUSDを未登録の証券にあたるとして同社を調査していたと伝えられた。

5月9日時点で818億ドルの時価総額を誇るテザー(USDT)が、ステーブルコイン市場の混乱をくぐり抜けた「勝ち組」であることは明らかで、時価総額は年初から160億ドル、24%増加している。テザー(USDT)の時価総額と比較するとわずかではあるものの、テザー社はほかにも、他の通貨や金に連動するステーブルコインも発行している。

暗号資産(仮想通貨)データプロバイダーのカイコ(Kaiko)のアナリスト、コナー・ライダー(Conor Ryder)氏は「テザー社は、SECによって安全性が認められていること、そして最近のドル連動の安全性により、業界で最も信頼できるステーブルコインとなった」と指摘している。

準備金は過去最高額

3月31日時点、流通している794億ドルのテザー社発行ステーブルコインに対して準備金の超過分は、約24億4000万ドル。テザー社の最高技術責任者(CTO)パオロ・アルディーノ(Paolo Ardoino)氏は発表の中で準備金の金額は過去最高額と述べた。

テザー社によると、新たに発行されたトークンはすべて米財務省短期証券に投資されるか、翌日物レポやリバースレポに預けられたという。同社は全準備金の約85%を現金および現金同等物、米財務省短期証券、銀行預金で保有していた。

テザー社は準備金における抵当貸付の削減を継続し、第1四半期には約5億ドル減の53億ドルとなった。同社は2022年12月、2023年中に抵当貸付をゼロにすると約束している。

テザー社は、準備金の透明性の欠如と物議を醸す行動により、長年にわたって業界で批判されてきた。米裁判所は2022年、テザー社が新たに発行されたステーブルコインでビットコイン価格のつり上げを企てたとする訴訟の中で、同社に対しテザーの裏付け資産に関する文書の提出を命じた。

アルディーノ氏は、ビットコインとゴールドの保有高を明らかにしたことについて「当社は非常に前向きな見通しを持っており、透明性を重視し続ける。だからこそ、ユーザーにさらに高い透明性を提供するために、四半期報告書の準備金の内訳に新しいカテゴリーを導入した」と声明で述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:林 理南
|画像:Nikhilesh De/CoinDesk
※編集部より:本文を一部修正して更新しました。
|原文:Tether Reports $1.48B Profit in Q1, Reveals Bitcoin, Gold Reserves