「G7は暗号資産の無法地帯をなくすために行動を」サミットを前にFATF議長が強調

G7(先進7カ国)各国は暗号資産(仮想通貨)を通じた不正な金融の流れに対抗するため、金融活動作業部会(FATF)の勧告を率先して実施しなければならないと、世界の金融犯罪を監視するこの機関の議長は5月18日に書簡で述べた。

「無法な暗号資産空間に終止符を打つ」と題されたこの強いメッセージは、5月19日から広島で開催されるG7首脳会議(サミット)に先立って発表された。

G7の財務大臣と中央銀行総裁は、先週末の会議ですでに暗号資産規制について議論しており、サミットでは各国首脳が世界的に厳しい暗号資産ルールへの支持を改めて表明する予定だ。

FATFは暗号資産を利用したマネーロンダリングやテロ資金供与を抑制するために、暗号資産サービスプロバイダーに一定の基準値以上の取引に関する情報の収集と共有を義務付ける「トラベルルール」を実施するよう各国に要請したことが話題になっている。

FATFのラジャ・クマール(Raja Kumar)議長は「世界の国々は規制の実施に前進している。しかし、暗号資産に関するFATFの最新要件の実施に関する進捗は比較的悪い」と述べ、73%の国がFATFの基準に「非準拠または部分的にしか準拠していない」と付け加えた。

「各国は、犯罪者やテロリスト、ならず者国家が暗号資産を利用できる無法地帯を閉鎖するために、緊急に行動を起こす必要がある」とクマール氏は述べている。

アナリストは、暗号資産取引の約0.1%から15.4%が違法であると推定しているが、FATFはこの数字は低すぎる可能性があると述べている。

G7が率先して「FATFのグローバル基準を完全かつ効果的に実施することは、我々の集団的成功にとって極めて重要だ」とクマール氏は述べている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:G-7 Must Take Charge in Ending ‘Lawless’ Crypto Space, FATF Chief Says