SEC、バイナンスUSの資産凍結を要求

米証券取引委員会(SEC)は6月6日、バイナンスUS(Binance.US)に関連する資産を凍結するための一時的な差し止め命令を裁判所に要請した。具体的には、バイナンスUSの持ち株会社および運営会社であるBAM Management US HoldingsとBAM Trading Servicesに関連する資産の凍結を求めている。

5日、SECはバイナンスUS、バイナンス・グローバル(Binance Global)および創業者兼CEOのチャンポン・ジャオ氏を提訴し、ジャオ氏に関連する企業がバイナンスUSの顧客の資金に秘密裏にアクセスできたなど、多数のコンプライアンスおよび管理上の違反を主張した。

「SECは、顧客資産の安全を確保し、いかなる判断にも利用可能な資産の散逸を防ぐために、この救済措置が迅速に必要であることを敬意をもって提示する。被告らの長年にわたる違反行為、米国法の無視、規制上の監督の回避、さまざまな金融移転と顧客資産の保管・管理に関する未解決の疑問(アメリカの裁判所の管轄下にないと主張する被告らを含む)を考慮している──これらは訴状や覚書、補足資料に記載されているとおりだ」とSECは差し止めを求める書類に記している。

差し止め命令が認められた場合、バイナンスは5日以内にBinance.USのみが顧客資金にアクセスできるようにし、30日以内にすべての顧客資産をBinance.USのみがアクセスできる新しいウォレットに移管することになるだろう。

SECは5日の訴状で、バイナンスはジャオ氏に関連する2つの企業、シグマチェーン(Sigma Chain)とメリットピーク(Merit Peak)に、BAMトレーディングが保有する「数十億ドル」の顧客資産へのアクセスを許可していたと主張した。

一方、バイナンスはバイナンスUSの顧客資産がリスクにさらされることはなかったと以下のように声明で述べている。

「バイナンスUSを含む、バイナンスと関連プラットフォーム上のすべてのユーザー資産は安全かつ確実であり、これに反するいかなる申し立てに対して、当社は精力的に対抗する」

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:バイナンスのチャンポン・ジャオCEO(CoinDesk)
|原文:SEC Seeks Temporary Restraining Order to Freeze Binance.US Assets