暗号資産取引高、3カ月ぶりに増加──ビットコインETF申請による楽観広がる

ブラックロック(BlackRock)や他の大手金融機関がビットコインの上場投資信託(ETF)を申請したことを受けて楽観的な見方が広がる中、6月の暗号資産(仮想通貨)取引高は3カ月ぶりに増加した。

CCDataの調査報告書によると、中央集権型取引所におけるスポット取引とデリバティブ取引を合わせた6月の取引高は、14%増の2兆7100億ドル(約391兆円)だった。これは3月以来の増加だという。

フィデリティ(Fidelity)のほか、インベスコ(Invesco)やウィズダムツリー(WisdomTree)など、著名なアメリカの金融機関数社が先月、アメリカ証券取引委員会(SEC)にスポットビットコインETFを申請または再申請した。

「SECがバイナンスUS(Binance US)とコインベース(Coinbase)を提訴した後のボラティリティの上昇と、ブラックロックやフィデリティなどがスポットビットコインETFを申請した後の市場のポジティブな見通しが、先月の取引活動の増加に寄与した」とCCDataは述べている。

(CCData)

それでも、スポット取引高は依然として歴史的に低い水準にある。報告書によると、第2四半期のスポット取引高は2019年第4四半期以降で最低だった。

報告書によると、デリバティブ市場については、出来高は6月に14%増加し、暗号資産市場の78.7%を占めた。しかし、これは5月の79.1%から減少しており、デリバティブ市場のシェアが4カ月ぶりに低下したことを示し、EFT申請が暗号資産のスポット蓄積に拍車をかけたことを示しているという。

また、シカゴマーカンタイル取引所(CME)で取引されたデリバティブの総取引高は、6月に23.6%増の483億ドル(約7兆円)に達した。

「機関投資家の関心は特にBTC先物に集中し、取引高は28.6%増の379億ドル(約5兆4600億円)と、2021年11月以来、同取引所での取引高で最高となった」と報告書は述べている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CCData
|原文:Crypto Trading Volumes Rise for First Time in 3 Months Amid ETF Optimism