ビットコインが3万ドルを回復──米雇用統計発表を前にアジア株は5週間ぶりの安値に

7月7日、ビットコイン(BTC)は反発し、アジア株は下落した。6日のADPのレポートが世界最大の経済における民間部門の雇用が予想を上回ったことを示した後、投資家はアメリカの非農業部門雇用者数のデータを待っていた。

時価総額トップの暗号資産(仮想通貨)は1%近く上昇し3万300ドルに達し、6日の下げの一部を取り戻した。日本を除くアジア太平洋地域の株式で構成されるMSCI株価指数は、前場の下げ幅を拡大し5週間ぶりの安値になった。

他の市場では、金が1オンス=1914ドルまで上昇し、10年米国債利回りは4.02%と、6日の4カ月ぶりの高水準から0.06%低下した。主要通貨に対するドルの強さを示すドル指数は、103.00近辺で夜間の下げ幅を縮小した。

ビットコインの価格チャート(CoinDesk/Highcharts.com)

アメリカ労働統計局が6月の非農業部門雇用者数(NFP)を世界標準時(UTC)12時半(日本時間午後9時半)発表する。ファクトセット(FactSet)のコンセンサス予想では、5月の33.9万人増、4月の29.4万人増に続き、先月は20.5万人の雇用が増加したと見られている。

失業率はおそらく3.7%から3.6%に低下し、平均時給は5月の伸び率と同じ0.3%上昇したと予想されている。

何が織り込まれているのか

アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が今月末に金利を0.25%引き上げ、5.25%~5.5%のレンジに設定する可能性をトレーダーは89%と見ている。これは、6日に発表されたADPとISMのサービス業PMIを受けた94%より若干低い。

トレーダーはまた、今年後半に再び0.25%の利上げが実施される可能性を50%としている。

ForexLiveの為替アナリスト、アダム・バトン(Adam Button)氏はマーケットアップデートの中で、「市場が本当に基準として置こうとしているものを推定するとすれば、5.25%~5.50%への利上げ、そして約10カ月間、その状態を維持することだ」と述べた。

市場への影響

タカ派的な期待はすでに強まっているため、NFPと賃金上昇率のヘッドラインデータがわずかに外れた場合、暗号資産を含むリスク資産にポジティブなムードが戻る可能性がある。

また、国債のイールドカーブがこの数字にどう反応するかも焦点となる。イールドカーブが反転し始めれば、リスク資産は下落する可能性がある。歴史的に、イールドカーブの逆転は景気後退の到来を意味する。

逆イールドカーブとは、期間の長い債券の利回りが期間の短い債券の利回りを下回ることだ。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk/Highcharts.com
|原文:Bitcoin Retakes $30K, Asian Stocks Hit 5-Week Low Ahead of U.S. Jobs Report