BTCのチャートにボラティリティ急上昇の兆し──米CPI発表を前に

ボリンジャーバンドと呼ばれるテクニカル分析指標は、ビットコイン(BTC)のボラティリティの爆発を示唆しており、6月のアメリカのインフレ率の報告を前に、暗号資産(仮想通貨)トレーダーやアナリストの注目を集めている。

「ボリンジャーバンドはタイトだ。このようなスクイーズは過去10年間でほとんど起きていない。そのほとんどは、ブレイクアウトの前に市場のバイアスをもたらした」とマーケットアナリストのジョシュ・オルシェビッチ(Josh Olszewicz)氏は7月12日にツイートした

ビットコインのボリンジャーバンドのいわゆるスクイーズや引き締めは、この指標の考案者であるジョン・ボリンジャー(John Bollinger)氏の目にも留まったようだ

ボリンジャーバンドは、資産価格の20日単純移動平均(SMA)の上下2標準偏差にボラティリティのラインを置くことで導き出される。バンドは価格の乱高下の度合いによって変動し、バンドが絞られたり引き締まったりすることはボラティリティの縮小を表し、バンドが広がることはボラティリティの爆発を表す。

バンドが急激に引き締まるとトレーダーは大きな動きに備え、その後は通常、価格がバンドを突破する方向で取引される。その理論は、統合中に市場がエネルギーを蓄積し、それが最終的にどちらかの方向に解き放たれるというものだ。

バンド幅を追跡する最も一般的な方法は、上下のバンド間のスプレッドを価格の20日SMAで割ることだ。

チャートプラットフォームのTradingViewによると、ビットコインのボリンジャー帯域幅は0.04まで低下し、1月上旬以来の低水準となった。

匿名アナリストのNunya Bizniz氏によると、ビットコインの14年の歴史の中で、バンド幅がこれほど低くなったことはほとんどなく、近いうちにボラティリティの爆発が見られるかもしれないという。

ボリンジャーバンドの幅は1月初旬以来最も狭くなった。(TradingView)

バンド幅の引き締めは、必ずしも市場の即時かつ顕著なボラティリティの爆発や価格変動の方向性の明瞭化を意味しない。

とはいえ、協定世界時(UTC)12日12時半(日本時間午後9時半)に発表が予定されているアメリカの消費者物価指数(CPI)は、連邦準備制度理事会(FRB)の金利予想に影響を与え、市場にボラティリティをもたらす可能性が高い。

ウォール・ストリート・ジャーナルのエコノミスト調査によると、6月の米消費者物価指数(CPI)はヘッドライン(総合)が5月の4.0%から3.1%に低下し、コアも5.3%から5%に鈍化すると予想されている。

3.1%になれば、FRBが目標とする2%に近づき、昨年の暗号資産暴落の一因となった利上げ継続や金融引き締めの可能性が弱まる。言い換えれば、インフレデータが予想と一致すれば、ビットコインはボリンジャーバンドのスクイーズから抜け出す可能性がある。

なお、11日に発表されたレポートでは、米CPIの主要構成要素の1つである中古車価格が過去1年間で10.3%下落し、6月には10カ月連続の下落を記録した。

そのため、総合CPIとコアCPIが予想を上回ることになった場合、ビットコインを含むリスク資産は下方変動に見舞われる可能性がある。米CoinDeskのデータによると、ビットコイン価格は記事執筆時点では3万630ドル付近で横ばいとなっている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:TradingView
|原文:Crypto Traders Prepare for Bitcoin Volatility as Focus Shifts to U.S. CPI