ビットコインとイーサリアム、従来の金融商品からのデカップリングを維持
  • 2023年、ビットコインとイーサリアムで従来の金融商品からのデカップリングが急激に進む。
  • 無相関資産として成熟する一方で、ビットコインとイーサリアムを保有するアドレスの数は増加した。

2023年のビットコイン(BTC)のパフォーマンスよりも驚くべき市場の展開があるとすれば、それは伝統的な金融商品からのデカップリング(相関性減少)かもしれない。従来の金融商品との相関性がなくなれば、喜ぶ投資家と悲しむ投資家の両方がいることは間違いない。

マクロ的要因への反応が少ない

ビットコインがマクロ的なノイズを乗り越える能力を持つことを喜ぶ投資家もいるだろうが、良いニュースに伴う定期的な上昇も起きないことを嘆く投資家もいるかもしれない。

ビットコイン投資家は、ビットコインが無相関資産となることに安心感を感じる一方で、伝統的金融(TradFi)の資産に比べて世界的なマクロ的要因への反応が少ないことにも注意を払う必要があった。

S&P500、ダウ平均株価、ナスダック総合指数とビットコインの相関係数は、1月1日以来、それぞれ50.5%、30%、49.4%まで低下した。

確かに、デジタル資産に関するニュースは決して平穏だったわけではない。規制の行き過ぎ、米証券取引委員会(SEC)委員長の辞任に関する根拠のない噂、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策決定をめぐる憶測などがあった。しかし、6月15日に行われた、世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)によるビットコインETF(上場投資信託)申請に対する反応を除けば、ビットコインの価格動向は比較的緩やかだった。

ビットコインは、13日遅くに1年ぶりの高値となる3万1700ドル(約443万8000円、1ドル140円換算)を超えるまで、3週間にわたるレンジ取引とボラティリティの低下に陥っていた。イーサリアム(ETH)も同様で、投資家は新たな材料を待ちながら、年初来の上昇分に甘んじる姿勢を強めていた。

マクロ経済的な影響は小さい

現時点では、市場全体を動かすマクロ経済的な材料がビットコインに及ぼす影響は比較的小さいようだ。一方、デカップリングは株式だけに限らない。

ビットコインと金、米ドルとの相関関係は、それぞれ0.33と-0.23。どちらもゼロに近く、価格動向に全く相関性がないことを意味している。ビットコインが初期にインフレヘッジとして認識されていたことを考えると皮肉なものだ。

ビットコインとの相関関係が最も一貫してプラスなのは、イーサリアムだ。2つの資産の有用性とコンセンサスアルゴリズムの違いにもかかわらず、比較的足並みをそろえた値動きになっている。

アドレス数は増加

ビットコインとイーサリアムの独立性は、資産が成熟していることを示唆しており、その資産固有の進展があれば急激な動きが発生することになる。

13日の堅実なインフレ報告に対してビットコインとイーサリアムがほとんど反応しなかったことは、投資家のほとんどが雑音にまどわされないようにしようとしていることを示している。乱暴な投機ではなく、静かに買い増しを行っているようだ。

調査会社グラスノード(Glassnode)によると、1月1日以降、残高がゼロ以外のビットコインアドレスの数は約9%増加した。イーサリアムでも同様に11%増加した。

ビットコインについては、5月に価格が2万5000ドルまで下落したにもかかわらず上昇を続けており、安定した需要が下支えしていることを示している。

|翻訳:CoinDeskJAPAN
|編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin, Ether Maintain Their 2023 Decoupling from Traditional Finance