カンボジアのCBDCと日本のステーブルコインで、日本と東南アジアの越境決済を実現──ソラミツ、VIVIT、多摩大学大学院ルール形成戦略研究所が連携

カンボジアの中央銀行デジタル通貨(CBDC)「バコン」を手がけたことで知られるブロックチェーン開発企業のソラミツ、ソーシャルDXプロデュース企業のVIVIT、多摩大学大学院ルール形成戦略研究所(CSR:Center for Rule-making Strategies)は、カンボジアのCBDCで、周辺の東南アジア諸国との越境送金・決済での利用が拡大している「バコン」と、今後、日本でさまざまな金融機関による発行が見込まれるステーブルコインの交換を実現し、日本と東南アジア諸国の間の越境決済を実現する取り組みを開始する。

ソラミツが開発した「バコン」は、カンボジアでの利用のみならず、マレーシア、タイ、ベトナムなどの東南アジア諸国との越境送金・決済を実現、さらにインド、中国、ラオスなどへの越境送金・決済の拡大も発表している。

今回の取り組みでは、今後、登場が予想されている日本のステーブルコインと「バコン」をステーブルコイン交換所で接続、ステーブルコインとバコンの交換、為替レートの換算を行う。

東南アジアでは、スマートフォンの普及が進む一方で、銀行口座やクレジットカードの保有率は極めて低い。いわゆる「アンバンクド(unbanked)」な人たちも、この仕組みを利用すれば、日本との越境決済が実現できる。一方、日本企業、特に中小企業にとっては東南アジア市場をターゲットにしたビジネスのハードルが下がることになる。

取り組みはまず、ジョイントベンチャープロジェクトとして始動。VIVITが全体の舵取りを担い、ソラミツが越境決済システムの検討・構築などを、CRSが東南アジアの外交関連、関連諸国の法律対策やルール形成戦略などを担当する。今後、協力企業を集め、マーケティングや概念実証(PoC:proof-of-concept)を進め、2024年秋頃のサービスローンチを目指す。

開発プロジェクトチームの名称は「睦〜MUTSUMI〜」。多くの企業や自治体が力を合わせて、「収縮する日本の未来」を打破し、新たな市場、大きな経済圏の構築に向け、再び「開国」していくことを目指していくとしている。

|文:増田隆幸
|画像:リリースより