カーブ危機を回避、負担案の投票を行うNFT融資プロトコル

分散型取引所(DEX)カーブ(Curve)のハッキングで1200万ドル(約17億円、1ドル145円換算)近い暗号資産を失った(その後、100万ドルの報奨金を支払って大半を取り戻した)NFT融資プロトコルのJPEG’dは今、その損失を埋める方法の決定を迫られている。

JPEG’dはNFTを担保とする暗号資産融資アプリで、顧客にpETHと呼ばれるイーサリアム(ETH)の派生通貨を発行し、融資を行う。そして顧客の多くは、さらに利回りを得るために、イーサリアム・ブロックチェーン上で人気の取引プロトコルであるカーブの流動性プールにpETHを保管した。

8月上旬にハッカーがプールから暗号資産を流出させたため、顧客たちの利回りの賭けは失敗に終わった。しかしJPEG’dは、5495ETH(ハッキングされた額の90%)を取り戻すために、ハッカーに611ETHの報奨金を支払うことに合意。この動きはJPEG’dを財政的な不安から救い、顧客をポジションの完全な壊滅から救った。

しかし、誰かが不足している611ETHを負担しなければならない。19日まで行われた投票では、JPEG’d DAOを管理する投資家がそれぞれわずかに負担者が異なる6つの提案に投票した。圧倒的にリードしていた選択肢は、JPEG’dの無料顧客とDAOの間で負担を分けるものだ。

「中間的な」解決策

オプションDと呼ばれるこの選択肢では、シタデル(Citadel)と呼ばれるJPEG’dの独自サービスを通じてカーブに入金しなかった投機家や利回り狙いの投資家が資金の大半を取り戻すことになるが、全額を取り戻すことはできない。

これは、シタデルを通じてカーブ・プールの利子を得るために少額の手数料を支払った有料顧客とは対照的。彼らは全額を取り戻すことができる。

この計画では、DAOは484ETH(約80万2000ドル)と8億6100万JPEGトークン(約45万ドル)の純損失を被ることになる。DAOはまた、pETHを新しい派生トークンに置き換え、全保有者にエアドロップする予定だが、これはどの選択肢が選ばれても行われる。

JPEG’dのユーザーエクスペリエンス(UX)開発者(スクリーンネームは0xtutti)は、オプションDは厄介な問題に対する「中間的な」解決策だと述べた。しかし、どの選択肢が選ばれたとしても「全員が回収された資産の分配を受け取る」。

|翻訳:清水マキ
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Curve Crisis Averted, NFT Loans Protocol Now Votes on Next Step