アルトコインに暴落の怖れ──売り手はFTXだけではない

暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダーのマトリックスポート(Matrixport)は9月11日のレポートで、FTXがトークンの代わりに法定通貨をユーザーに還元できるよう、少なくとも34億ドル(約4930億円、1ドル=145円換算)相当の暗号資産を売却する可能性が高く、これによりアルトコインのオーバーハングが年内に生じるだろうと述べた。

マトリックスポートは、FTXが毎週2億ドル(約290億円)相当の暗号資産を販売したいと述べたことを指摘した。 これは、破産したこの取引所が2023年末まで資産の売却を続けることを意味する。

さらに、市場の主要な売り手はFTXだけではない。「暗号資産ベンチャーキャピタル(VC)ファンドもまた、投資家に資金を還元しなければならないという絶大なプレッシャーにさらされている」とリサーチ・戦略責任者のマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は書いている。「これらのVCファンドは、キャッシュアウトしなければならないので、アルトコインの主要な売り手となる可能性が高い」。

ソラナ(SOL)はFTXからの潜在的な売りに怯えて下落しているが、影響を受ける唯一のコインではない。

VC投資家が保有するアルトコインであるエイプコイン(APE)も9月17日にロック解除が予定されている。これは発行済みトークンの11%を占めるという。前回の8月17日の4.2%のアンロック後には、価格が24%下落した。今回のアンロックは規模が大きいため、価格の下落は続くと予想される。

10月20日に予定されているもうひとつの大規模なアンロックは、アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)のAXSで、11%がリリースされる。前回7月22日の同様のイベントでは、AXSは32%下落している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Cryptocurrency Altcoin Crash Is Coming: Matrixport