MakerDAOのMKR、クジラの買いで16カ月ぶり高値に近づく──ヘッジファンドは強気

分散型金融(DeFi)レンディングプラットフォームMakerDAOのガバナンストークンであるメーカー(MKR)は、プロトコル収益の増加と大口投資家(クジラ)による買いに支えられ、昨年5月以来の高値に近づいている。

過去24時間で5%上昇

CoinDeskの価格データによると、MKRは過去24時間で5%近く上昇して1320ドル(約19万1400円、1ドル145円換算)に達し、8月初旬に記録した高値1366ドルに近づいている。この水準を超えれば、価格は16カ月ぶりの高値となる。

MKRは今年152%上昇し、暗号資産市場全体のパフォーマンスを大きく上回った。ビットコイン(BTC)は同期間で64%上昇したが、DeFiトークン全体のパフォーマンスを示すCoinDesk DeFi Index(DCF)の上昇率は10%を下回った。

年間収入が急増

この急騰は、時価総額55億ドル(約7975億円)のステーブルコインDAIを発行するMakerDAOが、伝統的金融である債券市場の高利回りの恩恵を受けて、莫大な準備資産を利用した米国債への投資を増やしている中で起きた。

Makerburnのダッシュボードによると、プロトコルの年間収入は年初から4倍の1億8500万ドル(約268億2500万円)に増加。推定年間利益は3900万ドル(約56億5500万円)から5800万ドル(約84億1000万円)に急増した。MakerDAOも先月、需要を刺激するためにDAIに5%の報酬を導入しており、供給量は8月初旬以来10億ドル(約1450億円)増加した。

クジラが大規模にMKRを購入

オンチェーン分析会社Lookonchainは、大口投資家(クジラ)2人が今月MKRの保有量を増やしており、MKRに対するセンチメントが改善している兆しだと指摘した。クジラの1人は9月4日から総額195万ドル(約2億8275万円)相当を購入し、別の1人は今週163万ドル(約2億3635万円)相当を購入した。

暗号資産ヘッジファンドのウロボロス・キャピタル(Ouroboros Capital)はX(旧Twitter)で、DAIの供給と収入の増加により価格高騰は続く可能性が高いとし、強気のチャートパターンであるカップアンドハンドルが示す価格目標は1600ドルだと指摘した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:MakerDAO’s MKR Nears 16-Month High as Whales Accumulate, Crypto Hedge Fund Sets Bullish Price Target