ビットコインETF承認に注目が集まるなか、イーサリアム(とETHE)も忘れずに

裁判所は先月、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)をより魅力的なETF(上場投資信託)に転換することを求める申請を拒否した米証券取引委員会(SEC)に対して、決定を見直すよう命じた。この判決を受けて、多くのアナリストは近い将来、ビットコインETFが承認されると予想。ブルームバーグのアナリストは、今年中に承認される確率を75%としている。

市場価格もこの楽観的見解を反映しているが、それはグレイスケールのビットコイン商品に限った話ではない。

グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)とグレイスケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)は、それぞれファンドが保有するすべてのビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の価値を表す業界用語「NAV」に対して大幅なディスカウントで取引されていた。しかし、ディスカウントは大幅に縮小した。GBTCは46%のディスカウントからわずか21%に、ETHEは59%から29%になった。

つまり、皆がビットコインETFが承認されるかどうかで気を揉んでいるわけではなく、いつ承認されるかと待ち構えているなか、強気の投資家はいち早くGBTCを購入し、承認を待つべきではないだろうか?(ETFは通常、NAVとほぼ同じ価格でしか取引されないため)ディスカウントはほぼ消滅し、ボーナスとして原資産(ビットコイン)が買われるかもしれないWin-Winの状況にあるという理屈だ。確かに、そうかもしれない。

さらに大きなチャンス

だが、より大きなチャンスは、グレイスケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)にあるかもしれない。

私の見解では、アメリカでビットコイン現物ETFが承認されれば、イーサリアム現物ETFを保留する根拠はほとんどなくなるはずだ。グレイスケール自身も、ETHEやその他のプロダクトをETFに転換する予定と述べている。

ソラナ(SOL)、コスモス(ATOM)など、時価総額の小さな暗号資産(仮想通貨)については期待しない方がよいが、イーサリアムETFが機能することを私たちはすでに知っている。

隣国カナダでは、イーサリアムETFは最初のビットコインETFから数週間でローンチされた。カナダの規制当局は、イーサリアムの先物市場が規制されており、マーケットメーカーがリスクヘッジを行うことができるため、イーサリアムETFを快く受け入れた。

アメリカでもビットコインETFの承認に続き、イーサリアムETFの承認もそう遠くないだろう。ETHEのディスカウントはGBTCよりも大きく、これはアービトラージ(裁定取引)の機会がはるかに大きいことを意味している。また、イーサリアム市場はビットコイン市場よりも流動性が低いため、ETFからの漸進的な買い増しは価格により重要な影響を与える可能性がある。そして、私の見解では、イーサリアムはWeb3開発の主要プラットフォームとして、より良い上昇要因を持っている。

先物ETFのパフォーマンスは、現物市場を大きく下回ってきた。現物ETFにはこのような問題はない。ETFは投資家にとって安全で賢明なソリューションであり、多くの人たちと同じように、私も承認されると見込んでいる。ETH(およびETHE)から目を離してはならない。

|翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸
|画像:Conny Schneider/ Unsplash
|原文:With All Eyes on a Spot Bitcoin ETF Approval, Don’t Sleep on ETH (or ETHE)