ZKロールアップのINTMAX、生体認証とMPC技術を活用したウォレット「INTMAX Walletless Wallet」発表

暗号資産(仮想通貨)と、それをベースにしたWeb3のマスアダプションには、ウォレットが最後のハードルになると言われている。ユーザーがどのようにして自分の資産を管理するか、また何を起点にWeb3サービスを利用するかは大きな課題であり、ビジネスチャンスとなっている。

スイスに拠点を置き、zkRollup(ゼロ知識証明ロールアップ)プロジェクト「INTMAX」を手がけるRyodan Systems AGは9月29日、生体認証とMPC技術を活用した革新的なウォレット「INTMAX Walletless Wallet」を発表した。

ダウンロードや拡張機能、シードフレーズは不要。生体認証と最新の暗号技術MPCを活用して、従来のノンカストディアル・Webウォレットで実現不可能とされていた、強固なセキュリティを持つユーザーフレンドリーなウォレットを実現。シームレスなユーザー体験を提供するという。

リリース段階では、イーサリアム、ポリゴン(Polygon)、オプティミズム(Optimism)、アービトラム(Arbitrum)をサポート。他のレイヤー2も今後、追加予定だ。

なお、INTMAXは今年1月、スイス・クリプトバレーにある企業1135社の中から、TOP50に選出。4月には、シードラウンドで約6.5億円の資金調達を完了している。

参考記事:ZKロールアップのINTMAX、約6.5億円を調達

イーサリアム・レイヤー2の基盤を目指す

リリースによると、単体でも優れたユーザー体験を提供する「INTMAX Walletless Wallet」は、ユーザーの幅広い拡大を目指す2段階戦略の最初の章に過ぎないという。次のステップでは、同社が手がける「INTMAX zkRollup」を組み合わせ、ほぼゼロに近いガス代(取引手数料)で利用できるようになるとしている。

INTMAXの創設者/CEOの日置玲於奈氏は「当社のWalletless Walletは単なるストレージソリューションではありません。Ethereum Layer2の基盤となるプロダクトです」とリリースで述べている。

zkRollupは、イーサリアムブロックチェーンのさまざまなレイヤー2スケーリングソリューションのなかでも、ゼロ知識証明を活用した方法として注目を集めている。INTMAX zkRollupは、これまで両立が不可能とされていた、ほぼゼロに近いガス代(取引手数料)とデータ主権の両立を可能にする仕様を併せ持っているという。

|文:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:リリースより