米サークル、トークン化クレジット市場構築を支援するオープンソースプロトコル公開

ステーブルコイン発行会社サークル・インターネット・フィナンシャル(Circle Internet Financial)は9月29日、トークン化されたクレジット(信用)市場を構築するためのオープンソース基盤として機能することを目的としたスマートコントラクトのコードベース「Perimeter Protocol」を公開した。

サークルはブログで、Perimeterは請求書ファクタリング、給与前払い、クレジットカード加盟店向けの即時決済、機関投資家向けの信用取引など、さまざまなクレジットのユースケースをサポートできると述べた。このホワイトペーパーは公開されており、開発者はコードベースを自由にコピーし、その上に製品を構築できる。

このプロトコルは、オープンソース開発を専門とするサークル社の新部門「Circle Research」が最初にリリースしたものでもある。

現実資産のトークン化が勢いを増す

クレジットなどの従来の金融商品をブロックチェーンベースのアプリケーションに導入する、いわゆる「現実資産(RWA)のトークン化」が勢いを増している。

バンク・オブ・アメリカ(BoA)の報告書では、より効率的で透明性の高いシステムを構築することで、トークン化が既存の金融の資金ルートを破壊する可能性があるとされている。投資会社のバーンスタイン(Bernstein)は、トークン化された資産が今後5年間で5兆ドル(約750兆円、1ドル150円換算)規模の市場に成長する可能性があると予測した。

USDCとEURCの有用性を高める可能性

ステーブルコインは、ブロックチェーンベースの融資市場で取引を決済するための重要な資金ルートだ。トークン化の取り組みと分散型金融(DeFi)のクレジットプラットフォームの開発を促進することは、サークル社が260億ドル(約3兆9000億円)規模のUSDコイン(USDC)とユーロペッグ型のEURCの有用性を高めるのに役立つ可能性がある。

サークルは「我々は、ステーブルコインとUSDコインが、DeFi内の世界的な融資市場などのさまざまなユースケースにおいて、開発者や企業、エンドユーザーなどに素晴らしい有用性をもたらしているのを見てきた」としたうえで「しかし、これらの市場に新規参入する者にとって、安全な基準と引受を通じてオンチェーンで安全に信用を解除できる機能は、参入に対する大きな障壁となる」と指摘した。

機関投資家のDeFiプラットフォームであるOpenTradeの、利子付きのトークン化された米国債のプールは、Perimeterを使って初めて開発されたものとなる。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Sandali Handagama/ CoinDesk
|原文:Circle Rolls Out Open-Source Protocol to Help Build Tokenized Credit Markets