SECが対グレイスケール訴訟で控訴せず、次の展開は?

米証券取引委員会(SEC)は、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)を現物ETF(上場投資信託)に転換することを求めるグレイスケールの申請をめぐり8月に敗訴していたが、控訴しなかった。これを受けて、グレイスケールと暗号資産業界は次の行動を検討している。

グレイスケールはETF転換の用意が整う

グレイスケールの広報担当者はCoinDeskに宛てた電子メールで、「グレイスケールのチームは、SECの承認を受け次第GBTCをETFに転換する運用上の準備を整えており、できるだけ早くさらなる情報を共有できることを楽しみにしている」と述べた。資産マネージャーはさらに、裁判所が7日以内に最終判決を下す予定だと指摘した。これは、SECがグレイスケールの申請を拒否した理由について「恣意的かつ気まぐれ」だと裁判所が指摘した、8月の当初の判決の内容を繰り返すものとなる可能性が高い。

グレイスケールは、2021年10月に初めてGBTCをETFに転換する申請を行った。GBTCは世界最大の暗号資産ファンドであり、現在167億ドル(約2兆5050億円、1ドル150円換算)の資産を運用している。

SECのETF承認に向けた圧力

TDコーウェンのアナリストであるジャレット・サイバーグ(Jaret Seiberg)氏は顧客向けメモの中で、「SECに対して非常に多くの政治的、法的な圧力がかかるため、SECのゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は現物ビットコインETFを承認しなければならないだろう」と指摘した。興味深いことに、ザイバーグ氏は、ゲンスラー委員長とチームが敗訴をポジティブなものにすることができると示唆している。ザイバーグ氏は、「議会が暗号資産市場構造法案を制定する準備ができれば、ビットコインETFに対する権限を強化することで、より幅広い暗号資産権限を求めるSECの行動が強化されるだろう」と述べた。

SECから現物ビットコインETFの承認を受けるのを待っている他の資産管理会社には、世界最大の資産運用会社であるブラックロック(BlackRock)やフィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)が含まれる。こうした動きが何を意味するかを予告するように、ブラックロックの現物ETF申請が承認されたという未確認の噂がたったことを受けて、ビットコイン価格は16日午前の数分間に10%以上急騰した。この噂は後に虚偽であることが判明し、ビットコインの価格高騰分はほぼ帳消しとなった。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:What’s Next for Grayscale, Spot Bitcoin ETF After SEC Declines to Appeal Court Loss?