ビットコイン、2万9000ドル近くまで上昇──フィデリティによるETF申請書類の修正が強気を呼ぶ
  • ビットコインは、フィデリティがビットコインETFの提出書類を修正した企業の仲間入りをしたことで、2カ月ぶりの高値に跳ね上がった。
  • この修正は、企業と規制当局の間のコミュニケーションが継続中であることを示す可能性がある。

ビットコイン(BTC)は、アメリカで提出されたビットコイン上場投資信託(ETF)の修正によって強気心理が刺激され、2万8817ドルの高値まで上昇した。

この最大の暗号資産(仮想通貨)は過去24時間で2.8%上昇、2カ月ぶりの高値に達し、主要トークンの中で上昇率トップになった。上昇は一週間で7%近くまで拡大した。

資産運用大手のフィデリティ(Fidelity)は、提案中のビットコインETF「ワイズ・オリジン・ビットコイン・トラスト」の修正案を10月17日遅くにアメリカ証券取引委員会(SEC)に提出し、カストディ口座にある顧客のビットコインをどのように保護し、暗号資産をめぐる不安定な規制環境に関連するリスクを開示することなどを明記した

フィデリティのスポットビットコインETFの修正申告は、アーク・インベスト(ARK Invest)とインベスコ(Invesco)に続くものだ。 インベスコは10月11日に再申請し、その翌日にアーク・インベストも追随した。 こうした展開は、将来のETFプロバイダーとSECとの間で協議が進行中であることの表れである可能性が高く、トレーダーの強気な感情を刺激する一因となっていると市場関係者らは述べた。

ブルームバーグ・インテリジェンス(Bloomberg Intelligence)のアナリスト、ジェームズ・セイファート(James Seyffart)氏は「潜在的なスポットビットコインETF発行者が、SECが承認するために必要な変更や修正に関してSECと連絡を取っているというさらなる証拠だ」とX(旧Twitter)に投稿した。「(私の意見では)ポジティブな兆候だ」。

一部の企業は、承認が得られれば、現在1兆1000億ドル(約165兆円、1ドル=150円換算)の時価総額が今後数カ月で少なくとも1兆ドル(約150兆円)増加すると予想している。

今週初め、ビットコインのETFが承認されるとの憶測が飛び交い、ブラックロック(BlackRock)のラリー・フィンク(Larry Fink)CEOが暗号資産市場に対する投資家の「溜まりに溜まった」関心を示したと述べた動きで、ビットコインは10%近く急騰した。この噂が誤報であることが判明した後も、価格は上昇を続けた。

一方、アナリストの中には、取引量の増加を理由に、ビットコインが数日中に2万9400ドルに達すると予想する者もいる。

FxProのシニア・マーケットアナリストのアレックス・カプチケヴィッチ(Alex Kuptsikevich)氏は米CoinDeskに対し、「取引量の増加が続いている。価格が過去の基準から見て高くないことを考えると、これは良いニュースだと考えている」と述べた。「市場からの積極的な退出ではなく、新たな買い手の流入だ」。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin Nears $29K as Fidelity ETF Amendment Bumps Bullish Sentiment