EUのプライバシー監視機関、 デジタル・ユーロの「過度な中央集権化」を懸念

EUのデジタルユーロ計画は欧州中央銀行(ECB)による「過度な中央集権化」を避ける必要があると、EUのデータプライバシー監視機関が10月18日に声明で述べた

ECBは中央銀行デジタル通貨(CBDC)の計画を進めるかどうかを決定する予定だが、この声明は国家による過度な管理に大きな懸念を示したものだ。

「高い水準のプライバシーとデータ保護は、この新しいデジタル通貨に対する市民の信頼を得るのに役立つだろう」と欧州データ保護会議(EDPB)のアイリーン・ロイジドゥ・ニコライドゥ(Irene Loizidou Nicolaidou)副議長は述べた。彼女は 「オンラインとオフラインの両方で使用される場合、デジタルユーロの設計段階の早い段階でデータ保護が組み込まれることを保証するべきだと考えている」という。

ECBは、従来の銀行システムから資産が流出するのを避けるため、個人が保有できるCBDCの量を制限したいと考えているが、同副議長は、それを実施するために必要な情報をもっと分散化して保管してほしいと述べた。

また、マネーロンダリング防止のために、取引が追跡されない「プライバシー閾値」を設定し、不正防止メカニズムがどのように機能するかをより明確にする必要があると同副議長は述べた。

EDPBは、EU圏の厳格なプライバシー法である一般データ保護規則(GDPR)を実行する責任を負っており、その意見はプライバシーへの影響をすでに懸念している議員たちに影響力を持つ可能性が高い。

6月に中央銀行デジタル通貨を支える法律を提案した欧州委員会にとって「デジタル・ユーロの実現に向けて取り組む中で、市民のプライバシーを保護することは最優先事項であり続ける」と金融サービス委員会のメイリード・マクギネス(Mairead McGuiness)委員は、EDPBの見解を受けてXに投稿した。

マクギネス氏は以前、欧州議会のメンバーからCBDCのプライバシー管理と全体的な目的についてかなり懐疑的な声が上がったため、新法については時間をかけても構わないと述べていた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Ervins Strauhmanis/Flickr
|原文:EU Privacy Watchdog Takes Aim at ‘Excessive Centralization’ of Digital Euro