ビットコインの資金調達率が急上昇──裁定取引が再び流行

ビットコイン(BTC)に連動する永久先物の価格とスポット市場価格とのスプレッドが拡大しているおかげで、以前の暗号資産(仮想通貨)市場の強気局面において最も人気のあった手法の一つである裁定取引戦略が再び流行している。

Velo Dataによると、この差は資金調達率(永久先物のロング/ショート・ポジションを保有するためのコストで、永久プレミアムとも呼ばれる)で表され、バイナンス(Binance)を含む主要取引所で年率10%を超えて急増している。プラスのファンディングレートは、買い手(ロング)がレバレッジを効かせた強気のベットをオープンにしておくためにショートに支払うことを意味する。

トレーダーは、永久先物を売り、同時にスポット市場で暗号資産を買うことで、裁定取引を仕掛ける。そうすることで、価格上昇の継続によるリスクを回避しながら、10%の資金を安全にポケットに入れることができる。

暗号資産サービスプロバイダーのマトリックスポート(Matrixport)のリサーチ・戦略責任者、マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は、「今は、10~20%の(ほぼ)リスクフリー・リターンが達成できる裁定取引の機会には最適な市場だ」と述べた。「BTCの年率換算永久プレミアムは昨日40%だった。今日は13%に引き戻されたが、裁定取引には十分だ」。

永久プレミアムの急上昇は、これまでの強気トレンドと一致している。ビットコインは4週間で25%上昇し、ほとんどの上昇は北米取引時間中に起きている。

主要取引所における年率換算BTC資金調達率(Velo Data)

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Velo Data
|原文:Bitcoin’s Surging Perpetual Funding Rates Make Arbitrage Trades Attractive