ビットコイン、2週間で30%急騰の後「ゴールデンクロス」へ

時価総額が最大の暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)は、2月上旬以来のゴールデンクロスを達成する勢いだ。これは、50日単純移動平均(SMA)が上昇軌道に乗って200日SMAを追い抜くことで強気の波が強まる兆候だ。

チャートプラットフォームのTradingViewによると、記事執筆時点では50日SMAは2万7714ドルと上昇中で、200日SMAは2万8174ドルだった。CoinDeskのデータによると、ビットコインは2週間で30%上昇し、2022年5月に最後に記録した3万5000ドルを上回る水準に達している。

ゴールデンクロスは、短期的な価格モメンタムが長期的な価格モメンタムを上回り、強気相場へと発展する可能性があることを示す。ゴールデンクロスの反対はデスクロスで、50日SMAが20日SMAを下回る。

これらの指標はトレンドを追跡するトレーダーによって広く支持されているが、過去を振り返る研究に基づいており、強気および弱気トレンドの単独指標としての実績はまちまちだ。BTCはこれまで9回のゴールデンクロスを経験しているが、そのうちの3回(2014年7月11日、2015年7月15日、2020年2月19日)は、3カ月以内にデスクロスによって無効となり、顕著な下降トレンドになった。

その他は以下のように、程度の差こそあれ上昇トレンドが続いた。

ゴールデンクロスは長期トレンドの強気転換を示す。(TradingView/CoinDesk)

最初の2回のゴールデンクロスと2020年5月のゴールデンクロスの発生後、1年間ロングポジションを保ったトレーダーは、3桁パーセントのリターンを得ただろう。

ビットコインは2021年9月のゴールデンクロス後の数週間で史上最高値の6万9000ドルまで上昇したが、その後の3カ月間でその利益をほぼ完全に帳消しにした。ビットコインはその後、デスクロスに陥ったのだ。

アメリカを拠点とするスポット上場投資信託(ETF)のローンチの可能性、マクロ経済の不確実性、ヘイブン資産としてのビットコインの魅力の高まり、来年のマイニング報酬の半減などの楽観的な見方を考えると、差し迫ったゴールデンクロスはその評判通りになるかもしれない。

「半減は、マイナーからの売り圧力を減らすだけでなく、BTCの供給が希釈されるペースを減らすことで、BTCの価格に強気の効果をもたらすと見られている」とトロントを拠点とする暗号資産プラットフォームFRNT Financialは10月25日に電子メールで述べた。

ビットコインの報酬半減は、BTCの供給拡大のペースを4年ごとに50%減らすプログラムコードで、4回目が2024年4月に予定されている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:TradingView/CoinDesk
|原文:Bitcoin to Score ‘Golden Cross’ After 30% Price Surge in Two Weeks