最近のアルトコインの熱狂がネットワーク活動を活性化させたため、イーサリアム(ETH)は下降トレンドから抜け出し、3000ドル(約45万円、1ドル150円換算)に向かう可能性がある。暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダー、マトリックスポート(Matrixport)のリサーチ責任者マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏が今週のレポートで指摘した。
ティーレン氏は、「イーサリアムエコシステムの収益は低迷した水準から底を打ちつつある。これはイーサリアムが買える底値を示している可能性がある」と述べた。
週間収益が2週連続で3000万ドル超え
トークンターミナル(Token Terminal)のデータによると、イーサリアムネットワークの週次収益(ガスと呼ばれる取引手数料からの収入)は最近、2週連続で3000万ドル(約45億円)を超え、10月初旬に記録した年間最低の1200万ドルから増加した。
ティーレン氏は、「イーサリアムネットワークの週次手数料が3000万ドルを超えている限り、テクニカル的な強気の取引にはメリットがあるかもしれない」とし、テクニカルのチャートパターンに基づいて価格ターゲットを3000ドルに設定した。
この強気の見通しは、ティーレン氏が9月に示した、ネットワーク収益とユーザー活動の悪化を理由にしたイーサリアムに対する弱気な見方からの転換となる。実際、イーサリアムは10月初めに7カ月ぶりの安値に下落し、対ビットコイン(BTC)では15カ月ぶりの安値を記録した。
その後のビットコインと暗号資産市場全体の大幅な上昇に伴い、イーサリアムは約20%反発し、直近では1870ドルで取引されている。
イーサリアムはデフレに転じる
ビットコインからアルトコインへの資金移動は、多くの分散型金融(DeFi)プロトコルや分散型取引所(DEX)の基盤であるイーサリアムネットワークでのユーザー活動を促進するのに役立ったと分析会社IntoTheBlockは指摘した。
IntoTheBlockのデータによると、イーサリアムネットワークは先週、2500億ドル(約37兆円)の資金移動を決済したが、これは3月中旬の米地方銀行の危機以来の最高額であり、8月下旬の1050億ドルから増加した。
ネットワーク活動が急増した結果、過去1週間で供給量増加よりも多くのイーサリアムがバーンされたことがブロックチェーンデータから読み取れ、イーサリアムは2カ月間のインフレを経てデフレに転じたことになる。
IntoTheBlockのリサーチ責任者ルーカス・アウトミュロ(Lucas Outumuro)氏によると、オンチェーン活動の増加は暗号資産市場のファンダメンタルズが改善していることを示しているという。
アウトミュロ氏は、「オンチェーン活動の改善と現物主導の資金流入の増加は、強い需要が暗号資産の上昇を促進していることを示している」と述べた。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:Ether Could Hit $3,000 as Soaring Network Activity Turns Token Deflationary