ビットコイン、「ショートスクイーズ」で3万7000ドル近くまで上昇

ビットコイン(BTC)の価格は11月8日、2022年5月以来初めて3万6000ドルの大台を超え、上昇を拡大した。

データによると、アジアの取引時間の最初の4時間に5000万ドル(約75億円、1ドル=150円換算)弱の清算が行われ、価格を押し上げる「ショート・スクイーズ」が発生した。ショートとは、先物取引における価格下落を予想する賭けを指す。

ショートスクイーズとは、あらゆる資産で急激な価格上昇を引き起こす異常な状態のことで、通常、価格が予想外に高く跳ね上がり、空売り(ショート)がポジションを手仕舞いし、買いのフライホイールにつながることから始まる。

これらのショートのうち2100万ドル(約31億5000万円)以上が暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所のBitMEXで一掃され、OKXとバイナンス(Binance)がそれに続いた。これらの取引所が比較的多くのユーザーを抱えるアジアにおける市場取引によって、この動きが引き起こされた可能性を示唆している。

清算とは、トレーダーの当初証拠金の一部または全額の損失により、取引所がトレーダーのレバレッジポジションを強制的にクローズすることを指す。これは、トレーダーがレバレッジを効かせたポジションの証拠金要件を満たすことができない(取引を継続するのに十分な資金がない)場合に発生する。

BTCの上昇は、アメリカ証券取引委員会(SEC)がグレイスケール(Grayscale)との協議を開始したとの報道が8日遅くに出たことを受けたものだ。

グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)は、数十億ドル相当のBTCを保有する規制対象のビットコイン商品で、スポット上場投資信託(ETF)への転換に向けて順調に進んでいる可能性があり、これは一般投資家の暗号資産投資への道を容易にするマイルストーンとなると広く期待されている。

また、ブルームバーグ・インテリジェンス(Bloomberg Intelligence)のアナリストは、アメリカでビットコインのETFが承認されるとの予想を引き上げ、1月にローンチする可能性は「90%」だと繰り返した。

「ブラックロック(BlackRock)、ビットワイズ(Bitwise)、ヴァンエック(VanEck)、ウィズダムツリー(WisdomTree)、インベスコ(Invesco)、フィデリティとヴァルキリー(Fidelity & Valkyrie)に対し、同時にSECから延期命令が出された」とアナリストのジェームス・セイファート(James Seyffart)氏はXへの投稿で述べた。 「我々が信じているように、当局が12の申請者全員の立ち上げを許可したいのであれば、これがグレイスケールの法廷勝利が確認されて以来、利用可能な最初の窓口となる」。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin ‘Short Squeeze’ Bumps Prices to Nearly $37K as Spot ETF Hopes Strengthen