FTX関連ウォレット、1350万ドル分のSOLを取引所などに移動

倒産した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXにリンクされたウォレットは、トークンの月間150%近い上昇が一服する中、千数百万ドル相当のソラナ(SOL)を動かし続けている。

ブロックチェーンセキュリティ企業のペックシールド(Peckshield)は、FTXのラベルを付けたアドレスの一部が、取引所のバイナンス(Binance)とマーケットメーカーのウィンターミュート(Wintermute)に、1350万ドル(約20億2500万円、1ドル=150円換算)強に相当する25万SOLと400万ドル(約6億円)分のステーブルコイン、テザー(USDT)を送金したと指摘した。

これらのウォレットは、数十億ドルの資産を含むFTXの破産手続きの処理を担当している債務者グループによって管理されている。取引所への移動は、これらのトークンの公開市場での売却を意味する可能性が高い。

CoinGeckoのデータによると、SOLの価格は直近で7.5%下落しており、CoinDesk Market Index (CMI)が追跡している暗号資産市場全体の平均損失0.6%を下回っている。

11月14日に行われた移動は、債権者グループが3000万ドル(約45億円)相当のSOLをバイナンスとクラーケン(Kraken)に移動した1週間後に行われた。この動きの中で価格は5%下落したが、その後回復し上昇した。

SOLは、ブロックチェーン技術に対する長期的な楽観論と暗号資産サークルでの人気を背景に、過去1カ月で約150%、累計で500%以上上昇している。

この急上昇の一因は、債務者グループが10月に1億2000万ドル(約180億円)分以上のSOLをステーキングし、このトークンが事実上流通からロックアウトされたため、差し迫った売り浴びせの懸念が弱まったことにあるとも言われている。

しかし、債務者グループは、2020年から2022年までサム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)氏が率いる取引所によって取得された10億ドル(約1500億円)以上と推定されるその膨大な資産をどうする予定なのかについて、複雑なメッセージを送っている。

これまでのところ、FTXの遺産は、一連の取引で1億ドル(約150億円)以上のSOLが取引所に移されており、印象的な上昇を強調している。これらの保有資産の一部は、6700万ドル(約100億5000万円)相当のSOLのステーキングを解除することで取得された。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:FTX Linked Wallets Shift $13.5M SOL as Solana Rally Takes a Breather