ソラナ、1週間で26%上昇──FTXの売却懸念は影響せず
  • ソラナは20日に11%上昇。年初来では170%上昇しており、今年最もパフォーマンスの良い暗号資産の一つとなった。
  • IntoTheBlockのアナリストは、FTXがソラナを売ることに対する投資家の懸念は誇張されていると指摘した。
  • ソラナネットワーク上の活動の増加、デジタル資産ファンドへの大規模な資金流入、最近の技術アップグレードも上昇に寄与した可能性が高い。

ソラナ(SOL)は20日に11%上昇。引き続き他の暗号資産(仮想通貨)市場を上回るパフォーマンスを発揮し、破産した暗号資産取引所FTXによる投げ売りが行われる可能性があるとの懸念を無視した。

7月以降で最も強力な買いの動き

CoinDeskのデータによると、20日も上昇を続けた結果、ソラナはこの週に26%以上上昇したことになる。一方、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は同じ期間でそれぞれ10%と3%上昇しており、暗号資産市場全体のパフォーマンスを表すCoinDesk Market Index(CMI)は8%の上昇だった。

Anagramのリサーチパートナーでバイナンス・ラボ(Binance Labs)の元マネージングディレクターであるデビッド・シャトルワース(David Shuttleworth)氏はCoinDeskに対し、「7月以降に見られた中で最も強力な買いの動きの一つだ」と語った。

投資家のセンチメントが改善

ソラナは20日の上昇によって年初から170%の上昇を達成したことになり、今年最もパフォーマンスの良いデジタル資産の1つとして目覚ましい復活を遂げている。ソラナエコシステムの最大の支援者・出資者の一人であるサム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)氏の劇的な失脚を受けて、2022年末にはソラナの将来が危ぶまれていたが、上昇はこの後に起きている。

さらに、アメリカの破産裁判所は先月、FTXとアラメダ・リサーチ(Alameda Research)の破産財団に対し、8月末時点で11億6000万ドル(約1740億円、1ドル150円換算)相当のソラナでの隠し財産を含む巨額の保有暗号資産を清算する許可を与え、ソラナが市場で大量に投げ売りされるのではないかとの懸念に拍車をかけた。

分析会社IntoTheBlockのリサーチ責任者であるルーカス・アウトミュロ(Lucas Outumuro)氏はCoinDeskに対し、「アラメダのFUD(恐怖、不確実性、疑念:fear, uncertainty and doubt)は予想よりも深刻ではないことが判明した」と指摘した。

FTXの破産財団は先週、当時1億2200万ドル(約183億円)相当だった約550万SOLをステーキングし、投資家のセンチメントを改善させた。

ブレイクアウトなどの要因も

アウトミュロ氏はまた、対イーサリアムでのソラナのテクニカル的なブレイクアウトが上昇に寄与した可能性があると指摘した。

対イーサリアムでのソラナのブレイクアウト(IntoTheBlock、TradingView)

ソラナに重点を置くファンドへの投資家の出資も増えており、暗号資産運用会社コインシェアーズ(CoinShares)のレポートによると、先週は2400万ドル(約36億円)の純流入があった。コインシェアーズのリサーチ責任者であるジェームズ・バターフィル(James Butterfill)氏は、ソラナが自らを「えり抜きのアルトコインだと主張」し続けたため、週次では2022年3月以来最大の流入になったと述べた。

暗号資産管理会社21シェアーズ(21Shares)のリサーチャーらは19日、The Blockのブロックチェーンデータを引用したレポートで、ソラナブロックチェーンでは過去数週間にわたってネットワーク活動が増加していると指摘した。

ソラナネットワーク上のアクティブアドレス(The Block)

このレポートでは、ソラナブロックチェーンが最近、バリデーターのハードウェア要件を緩和し、ゼロ知識証明対応のトランザクション(取引)の暗号化のオプションを追加する技術アップグレードを有効にしたことも指摘された。

21シェアーズのアナリストらは、「ソラナブロックチェーンへの最近の流入急増は、日次アクティブユーザー数が4週間連続で一貫して増加していることと相まって、今回の見過ごされてきたアップグレードに対する熱狂を浮き彫りにしている」と述べた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Solana Rallies 26% in a Week Despite FTX Sale Fears; What’s Behind the Move?