ETF、半減期、アップグレード──2024年のビットコインに期待すること

いつもビットコイン(BTC)の価格変動は大きな話題になるが、2023年には良いニュースが多く聞かれた。ビットコインは再び、株式、債券、ゴールドに大差をつけて、最もパフォーマンスの良い資産クラスになった。記事執筆時点で価格は年初から150%以上上昇している。

2023年は機関投資家の関心が大きく高まり、6月にブラックロック(BlackRock)が上場投資信託(ETF)を申請したことで注目された。現在、インベスコ(Invesco)、アーク(ARK)、フィデリティ(Fidelity)、ヴァンエック(VanEck)、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)など12ものETFが申請中だ。アメリカ証券取引委員会(SEC)はグレイスケール(Grayscale)の申請を却下したが、裁判所はSECの却下は無効だという判決を下した。10月には承認の噂が流れただけで、ビットコインの価格は急騰した。

ビットコインのマイニングとセキュリティに使用されるエネルギーも大幅に増加し、ハッシュレートは累計で240エクサハッシュ/秒(EH/s)から482エクサハッシュ/秒(EH/s)に100%増加した。ハッシュレートとは、ビットコインの台帳に平均10分に1回、別のトランザクションブロックを追加するために、1秒間に何回の計算が必要かを示す指標だ。ビットコインは世界で最も安全で信頼性の高いデジタルシステムとして躍進を続けている。ネットワークの稼働率は14年連続で100%だった。2023年には、ビットコインとエネルギーや環境との関係が圧倒的にポジティブであり、送電網の安定化に貢献し、炭素排出量を軽減する経済的インセンティブを生み出しているという認識がさらに広まった

2024年に確実に起こることの 1 つは、次の「半減期」だ。ビットコインの新規発行は4月下旬にマイニングされる予定の84万ブロックで半分に減る。 ビットコインの需要が増加しているにもかかわらず、ブロックごとに追加される供給量は50%減少するのだ。 これはビットコインの歴史の中で4回目の半減期で、歴史的には半減期の後には強気相場が続いてきた。 因果関係であろうとアノマリーであろうと、そうでなくならない限りは真実であり、我々スワン(Swan)社は、高い確率で起こりそうな2024年と2025年の強気相場を組み込んだ戦略を立てている。

また、1つ以上のスポット型ビットコインETFが承認されることはほぼ確実だ。 これにより、従来の投資チャネルにある資本の水門が開かれることになる。 これは1月に起こる可能性が最も高いというのがコンセンサスだ。

2023年のビットコインの技術トレンドには、Taprootアップグレードの継続的な影響、トランザクションの効率性とプライバシーの強化があった。ライトニングネットワークの成熟は、ビットコインプロトコルの上にレイヤーを追加することで、より高速で経済的なトランザクションを促進するビットコインの拡張能力を強調することになった。ライトニングインフラストラクチャは、多数のライトニング対応ウォレット、オンデマンドのライトニングノードを備え、1日あたり推定20万件のトランザクションを促進するなど大きな進歩を遂げている。より成熟したライトニングネットワークが、再び強気相場が続く高手数料環境でどのような動きを見せるのか、注目したい。

2024年、世界的な金融不安の中、ビットコインの安定性は、混乱を減らそうとする個人、機関投資家、政府から注目を集める可能性がある。ビットコインは、通貨安に対して記録的な価値を達成し、世界の政治家の支持を集め、世界中の人々や企業によってより多く利用されている。ビットコインの成長は自然なものであり、中央管理はなく、その利点を認識する世界中の何百万人もの人々によって推進されている。ビットコインは世界の貨幣の健全性を守っており、健全な貨幣は基本的人権だ。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:ETFs, Halving, Upgrades – What to Expect With Bitcoin Next Year