METISが50%急騰──3億6000万ドルのプロジェクト助成金で話題

レイヤ2ネットワーク「メティス(Metis)」のネイティブトークンであるメティス(METIS)は、過去24時間で50%急騰し、その後やや反落した。以前に発表された補助金がX(旧Twitter)の暗号資産界隈で広まり、METISと関連プロジェクトに対する投資家の関心が高まったことが背景にある。

Coingeckoのデータでは、今回の価格急騰により30日間の上昇率は240%以上に拡大。取引高は12月初旬のわずか200万ドルから26日には5000万ドル(約70億円、1ドル140円換算)以上に急増した。

エコシステム開発基金を発表

メティスネットワークは、レイヤー2スケーリングプロトコルのコホートの一部。ユーザーはより高速かつ安価な手数料でイーサリアムブロックチェーン上で取引できるが、独自のエコシステムプロジェクトとツールを使用できる。

メティスネットワークを維持するメティスDAO財団は今月これ以前に、メティスエコシステムにおけるブートストラップ開発、流動性、活動、普及に向けた460万METISのエコシステム開発基金(Ecosystem Development Fund:EDF)を発表していた。

この額は26日時点の価格で3億6000万ドル(約504億円)以上に相当する。プロジェクトに対する支払いは、世界各地でトランザクション(取引)を処理するノードを分散する技術であるメティスの分散型シーケンサーのリリース後、2024年第1四半期に開始される予定だ。

ユーザーは、メティスネットワーク上に構築されたアプリケーションを使用するときに、こうした報奨の恩恵を自分も受けられることを広く期待している。データによると、これによりメティスの各種プロジェクトの預かり資産(TVL)は、先週の1億ドル弱から26日時点で5億ドル(約700億円)以上に増加した。

メティスエコシステムが加熱

メティスエコシステムの一部のプロジェクトのトークンは過去1週間で2倍以上に増加した。ステーキングツール「マイア(Maia)」のMAIAトークンは97%、スワッピングプロトコル「ハーミス(Hermes)」のHERMESトークンは140%急騰した。

ハーミスのデータによると、人気の高いハーミスとメティスの流動性プールの年換算報酬は200%に跳ね上がり、よりリスクの高い取引ペアでは最大350%になっている。

分散型無期限契約プロトコルTethysの取引高は、過去数週間の平均である1000万ドル未満から過去24時間で1800万ドル(約25億2000万円)以上に急増し、TETHYSトークンの価格は60%上昇した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Anjo Clacino/Unsplash, modified by CoinDesk
|原文:Metis Surges 50% as Ecosystem Projects Eye $360M in Grant Rewards