リブランドしたTrueDigital、ビットコインデリバティブに向けアルゴトレーダーと提携 ―― 競争激化の米国市場

旧社名トゥルーデジタル(trueDigital)で、機関投資家向けデジタル資産プラットフォームのタサット(Tassat)は、仮想通貨デリバティブのローンチに向けて取引ソフトウェアを提供するアルゴトレーダー(AlgoTrader)と提携した。

アルゴトレーダーによる2019年9月12日(現地時間)付の発表によれば、この提携によって、アルゴトレーダーの顧客である機関投資家に対して、計画されたデリバティブ商品の提供が可能となる。一方アルゴトレーダーの顧客たちは、取引戦略にこれら商品を組み込むことができることで恩恵を受ける。

デリバティブ商品の最初は、「機関投資家、ブローカー、その他適格な参加者向けの現物決済可能なビットコインスワップ」となる。具体的な日付は示されていないが、タサットは9月3日(現地時間)のリブランディングの発表において、ローンチは「目前に迫っている」と述べた。

同社の最高商務責任者、ミシェル・フィンジ(Michel Finzi)氏は、新しい提携について次のように発言した。

「私たちは機関投資家向け仮想通貨市場にサービスを提供するために、パートナーを思慮深く選び、弊社の哲学と合う企業に重きを置いています。アルゴトレーダーは、独特のサービス提供モデルを持っており、顧客にさらなるコントロールと柔軟性を与えます。そして最も重要なことに、見違えるほどの取引エクスペリエンスを作り出すことを唯一のミッションとしています」

ニューヨークに拠点を置くタサットは7月に初めて、アメリカの投資家に向けてビットコインデリバティブを提供することを発表したが、現在はローンチへと進めるために、米国商品先物取引委員会(CFTC)からの承認を待っている。同社は以前、他の仮想通貨向けの商品も追加していくと述べている。

タサットが進出するアメリカ市場はますます競争が激化している。インターコンチネンタル取引所(ICE)の子会社バックト(Bakkt)は、9月23日に現物決済のビットコイン先物のローンチを控え、シードCX(Seed CX)も規制当局からのビットコイン先渡取引の承認を待っている。さらには、2017年10月にビットコインデリバティブ商品をローンチしたレジャーX(Ledger X)もいる。

タサットはまた、規制を受けた取引所プラットフォームと、ビットコインとイーサの店頭市場基準レートも提供している。注目すべきところでは、仮想通貨フレンドリーなシグネチャー・バンク(Signature Bank)向けにブロックチェーン支払いシステムを構築し、2018年12月にローンチされている

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:New York image via Shutterstock
原文:Rebranded TrueDigital Partners for ‘Imminent’ Bitcoin Derivatives Launch