ウォレット機能を搭載、老舗国産ブラウザ「Lunascape」が大幅リニューアル

Web3の普及を考えたときに、大きなハードルになると考えられているのが「ウォレット」だ。暗号資産やステーブルコイン、さらには多くの企業が発行するであろうNFTをユーザーはどのようにして保有・保管し、活用するのか。

機能的としてはウォレットだが、ユーザー視点で考えれば「スマートフォンでどのようなUI/UXが実現されるのか」に尽きる。その意味では2024年は、スマートフォンを巡る「場所取り合戦」が勃発し、激化していくだろう。ユーザーにいかにウォレットをダウンロードし、使ってもらうか…。

Web3ソリューションの提供やJapan Open Chainなどのブロックチェーン・コンソーシアム運営を行うG.U.Groupは1月25日、Web3ウォレットを搭載した、Web3対応スマートフォン向けブラウザ「Lunascape Mobile Ver.14」の正式版をリリースした。

ネット事情に精通した人なら「Lunascape」という名前をご存知かもしれない。Lunascapeは、日本で20年以上、リリースによると累計2000万以上のユーザーが使っている国産ブラウザだ。2001年のリリースされ、当時まだ数少ないタブブラウザとして人気を集めた。

今回、Lunascapeにとっては5年ぶりの大幅リニューアルとなり、新たにWeb3ウォレット機能として「Lunascape Wallet」を搭載。イーサリアム系のブロックチェーンに対応し、別途、暗号資産ウォレットをインストールしなくても、そのままDEX(分散型取引所)やNFTマーケットプレイスにアクセスし、取引ができるようになるという。

いわば、老舗の国産ブラウザがWeb3対応の大型アップデートを行い、Web3マスアダプションの要となる「ウォレット導入」を、ユーザーが日常的に使用するブラウザを切り口に展開していく戦略だ。

ウォレット機能のほかにも、大幅リニューアルによって従来から搭載している広告ブロック機能を強化。例えば、Youtubeを動画広告をブロックして閲覧することができるという。好みの検索エンジンを選択できる検索エンジン・セレクタも搭載している。

またリリースに際して、NFT配布キャンペーンを実施。G.U.Group代表取締役の近藤秀和氏はCoinDesk JAPANの取材に「Web3対応ブラウザとして、世界で一番使いやすいと思っている」と述べ、NFT配布キャンペーンを通して「Web3にまだ触れていない方にWeb3を体験していただくことが大切」とと語った。

|文・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:リリースより