IEO、課題は? メリットは?──経験者が語ったリアルと展望【btokyo clubラウンドテーブルレポート 24/01月】

CoinDesk JAPANを運営するN.Avenueが2023年7月より展開している、Web3をリサーチする大手企業のビジネスリーダーを中心とした限定有料コミュニティサービス「btokyo club」。

1月25日、7回目のラウンドテーブルを、ブロックチェーン上のプロジェクトが独自トークン(暗号資産)を発行し、暗号資産交換業者を通じて販売することで資金を調達する「IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)」をテーマに開催した。会員限定のクローズ開催のため、詳細に紹介できないが、当日の専門家によるプレゼンテーションや議論の概要を紹介する。

株式か?それともトークンか?資金調達の「IEO」は2024年にこう変わる~IEOが直面する課題とWeb3企業の財務戦略を考える~

今回は「IEO」という日本市場の特性に沿ったテーマのため、Main Sessionのみで構成。日本初のIEOを実施したハッシュポートのCEOで、日本暗号資産ビジネス協会(JBCA)IEO部会長の吉田世博氏、連続起業家でIPO経験があり、子会社のBLOCKSMITH(ブロックスミス)がゲームのガバナンストークンを上場させた、KLabの取締役会長の真田哲弥氏、TradFi(伝統的金融)から暗号資産企業の初のIPO案件を狙うSMBC日興証券 執行役員 プライベート・コーポレート・ファイナンス共同本部長の佐藤友治氏、コインチェックでIEO事業を推進する執行役員の澤村周平氏が登壇した。

(吉田世博氏)

吉田氏は、実際にIEOを行った経験をもとにそのプロセスやスケジュール感、問題点などを概説。さらにJCBA IEO部会長として、IEOを取り巻く課題を規制、税制、会計の3つに分けて紹介した。経験に基づいた話に、会場からは具体的で、ディープな質問が寄せられた。

(澤村周平氏)

続いて、澤村氏が取引所から見たIEOを解説。取引所の審査のポイント、日本でIEOを行うメリット、課題や今後の展望などを語った。IEOというテーマを実施した側(吉田氏)、サポートした側(澤村氏)と両面から捉えることとなった。

(真田哲弥氏)

2度のIPO経験があり、特に1回目は設立から18カ月という当時の最短記録でのIPOを実現した真田氏。IPO、IEOともにさまざまな経験を持つだけに、他では聞くことのできない話をストレートに紹介。シリアスな内容だったが、同氏のフランクな語り口に会場はときに笑いに包まれた。特にIPOとIEOのリアルな比較は、示唆に富むものだった。

(佐藤友治氏)

最後により広くIEOの特徴やメリットを捉えるために、「業界初」のIPOを、ほぼ手がけてきたというSMBC日興証券の佐藤氏が、同社のIPOの実績や証券会社からみたIEOの課題・問題点を整理した。

その後の4人での議論、会場とのQ&Aセッションでは、おそらくIEOを検討していると思われる参加者からのディープな質問もあり、どことなく緊張感を伴ったやり取りもあった。また、その後の懇親会では、それぞれ4人の登壇者と熱心に話を進める参加者の姿が見られた。

毎回、クローズドな環境で、ディープでホットな議論が繰り広げられる「btokyo club」。Web3領域でのビジネスにご関心のある方、実際にWeb3ビジネスを推進されている方は、ぜひ、以下のフォームからお問い合わせください。

なお、7月の第2期からは名称を「N.Avenue club」に改め、内容をより充実させて開催していきます。

|テキスト:btokyo members
|編集:CoinDesk JAPAN
|写真:多田圭佑