KDDIとアニモカがWeb3で連携──ウォレット事業でのグローバル協業、アニモカ傘下のIP提供を検討

Web3マスアダプションに向けては、ウォレットが大きなハードルとされ、各社さまざまな取り組みを進めている。

KDDIと、香港に拠点を置くアニモカブランズ(Animoca Brands)の戦略的子会社アニモカブランズジャパンは3月5日、KDDIのメタバース・Web3サービス「αU(アルファユー)」とアニモカブランズのWeb3プラットフォーム「Mocaverse(モカバース)」のウオレット事業連携などを含む基本合意書の締結を発表した。

アニモカブランズは、Web3領域への積極的な投資で知られている。リリースによると同社は現在、Web3プラットフォーム「Mocaverse」を軸に、グローバルDID(分散型ID)「Moca ID」やポイントシステムを活用した企業・サービス連携を推進し、Web3領域への進出やグローバル展開を支援している。

同社初の公式メンバーシップNFTプロジェクトとしてスタートした「Mocaverse」は、Web3サービスのグロースインフラに進化し、「Moca ID」を使って世界中のユーザーが「Mocaverse」エコシステムに参加しているという。

一方、KDDIは、メタバース・Web3サービス「αU」を2023年3月に開始。NFTや暗号資産を管理できる「αU wallet」、NFTマーケットプレイス「αU market」、「αU metaverse」などを提供している。

今回の取り組みでは、「αU wallet」と「MocaID」の連携を通じて、「αU wallet」のユーザーが「Mocaverse」内のゲームやエンタメ、カルチャーなどのWeb3コンテンツにシームレスにアクセス可能になることを検討する。さらに「Mocaverse」以外にも「αU market」でのブロッ
クチェーンゲーム『PHANTOM GALAXIES』のNFT販売などアニモカブランズが持つIP・Web3コンテンツの販売なども検討していく。

リリースでの関係者の主なコメントは以下のとおり。

KDDI 事業創造本部Web3推進部部長 舘林俊平氏:「今後、Web3サービスがより広く普及するためには、コンテンツの力が重要な役割を果たすと信じています。今回の基本合意を通じて、はじめての方でも簡単にWeb3サービスに触れられる環境を整え、新しい体験を提供していきます」

アニモカブランズジャパン副社長COO 天羽健介氏:「今回の連携は、日本とグローバルの架け橋となり一人一人がウォレットを持ち様々なアプリケーションに個人間で接続していくweb3のコンセプト実現に向けた序章です」

Mocaverseプロジェクトリーダー Kenneth Shek氏:「日本はIP・ゲームの文化が深く根付いているだけでなく、さまざまなサービスにおいてポイントシステムの活用が進んでいます。Web2フレンドリーなインフラであり、強力なパートナーネットワーク保有するMocaverseを活用することで、個々のサービスが抱えるユーザーネットワークをより一層拡大していけると信じています」

スマートフォンを使って、面倒なオンボーディングプロセスなどを意識せずに、グローバルなWeb3サービスやコンテンツにアクセスできる日が近づいている。

|文:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:リリースより