暗号資産市場、短期的に逆風に直面する可能性:コインベース
  • 暗号資産市場は当面、マクロ的・技術的な逆風に直面する可能性があるとコインベースは述べている。
  • また、流動性は四半期末のリバランスによって影響を受ける可能性があるという。
  • コインベースはビットコインが来月の半減イベントまで狭いレンジで取引されると予想している。

ビットコイン(BTC)が史上最高値を更新したにもかかわらず、暗号資産(仮想通貨)市場は短期的にマクロ的な逆風とネガティブなテクニカル要因に直面しており、さらなる上昇が制限される可能性があるとコインベース(Coinbase)は3月8日の報告書で述べた。

「最初の上昇に寄与したショートカバーの動きは、現在、出尽くしたように見えるが、アメリカのスポットビットコイン上場投資信託(ETF)は、ビットコイン需要にとって意味のあるアンカーであり続けている」とアナリストのデビッド・ドゥオン(David Duong)氏とデビッド・ハン(David Han)氏は書いている。

以前のサイクルでは、「流動性の状況」が価格の勢いを後退させる主な要因だったが、今はそうではないようだ。それでも、これらのサポートの原動力は「今後数週間でいくつかの重要なマクロ的および技術的な逆風に遭遇する可能性が高い」と著者らは書いている。

アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は、地方銀行を支援するために利用されていたバンク・ターム・ファンディング・プログラム(BTFP)を3月11日に期限切れとする見込みだと報告書は指摘し、「これは銀行にとって裁定取引の機会を閉じることになるかもしれないが、その代償として金融システムに再び脆弱性がもたらされる可能性がある」と付け加えた。

さらに、四半期末のリバランスと相まって、ファンドマネジャーの手元資金が減少し、流動性が滞る可能性があるという。

これらの影響により、コインベースが考える最も可能性の高いシナリオは、次の特異なイベント、つまり4月中旬のビットコインの半減までは、ビットコインが狭いレンジ内で取引されることだと述べた。4年に一度の半減は、ビットコインのマイニング報酬を50%カットする。

コインベースは、ETFがビットコインの市場力学を変化させ、過去の半減サイクルを研究する有用性を損なったと指摘する。「ETFが保有するBTCの累積純増数は、マイナーによって生み出されたそれを3倍近く上回っている」と報告書は付け加えている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Crypto Market Could Face Some Short-Term Headwinds, Coinbase Says