ビットコインが投資家のポートフォリオでゴールドと同じ配分になる可能性は低い: JPモルガン
  • ビットコインはゴールドの3.7倍のボラティリティがある。
  • もしビットコインがリスクキャピタルの面でゴールドに匹敵するとしたら、それは4万5000ドルの価格があることを意味する。
  • ビットコインETFへの純流入額は約90億ドルだ。

ビットコイン(BTC)が投資家のポートフォリオにおけるゴールドの配分と同じになれば、その時価総額は3兆3000億ドル(約495兆円、1ドル=150円換算)に上昇し、価格が2倍以上になるはずだが、暗号資産(仮想通貨)のリスクとボラティリティの高まりから、おそらくそうはならないだろうとJPモルガン(JPMorgan)は調査報告書で述べている。

ビットコインがデジタル・ゴールドであるという投資家の認識を考えると、ゴールドはビットコインの比較対象として最適だと報告書は述べている。

「ほとんどの投資家は、資産クラス間で配分する際にリスクとボラティリティを考慮するが、ビットコインのボラティリティがゴールドの約3.7倍であることを考えると、投資家のポートフォリオ内でビットコインがゴールドに匹敵する配分を得ることを期待するのは非現実的だろう」とニコラオス・パニギルツォグロウ(Nikolaos Panigirtzoglou)氏率いるアナリストは書いている。

JPモルガンは、もしビットコインが「リスクキャピタルの観点」でゴールドと同等になった場合、配分は9000億ドル(約135兆円)に減少して、4万5000ドルという価格を意味し、現時点の価格よりも著しく低くなると述べている。

「現在の6万6000ドルで、投資家のポートフォリオ内のビットコインへの割り当ては、ボラティリティ調整後、すでにゴールドを上回っている」と報告書の著者は3月7日に書いている。

ビットコイン上場投資信託(ETF)市場の潜在的規模を推定するためにボラティリティ・レシオの3.7を適用すると、約620億ドル(約9兆3000億円)の規模になるという。スポットビットコインETFへの純流入額は約90億ドル(約1兆3500億円)で、その一部は既存商品からのローテーションシフトであった可能性がある。

「これは、おそらく2~3年以内のスポットビットコインETFの規模の現実的な目標だが、現在の純流入額の多くは、既存の商品や取引所からETFへの継続的なローテーション・シフトの可能性がある」と報告書は付け加えている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Is Unlikely to Match Gold’s Allocation in Investors’ Portfolios in Nominal Terms: JPMorgan