ファントム、非ミームトークンでは過去30日間で最も高いパフォーマンス──アップグレードが投資家の関心を呼ぶ
  • ファントム(FTM)は4週間で190%以上上昇した。
  • 同ネットワークのソニック・アップグレードが、この高騰の起爆剤になった可能性がある。
  • アップグレードされたテストネットは、より速いトランザクション処理速度と確定時間を実証している。

レイヤー1ブロックチェーン、ファントム(Fantom)のネイティブトークンFTMは4週間で190%以上上昇し、時価総額上位100位までの暗号資産(仮想通貨)の中で最もパフォーマンスの良い非ミーム暗号資産となった。

CoinGeckoのデータによると、FTMの価格は40セントから1.16ドルに急騰し、2022年4月以来の最高値を記録した。トークンの時価総額は32.9億ドル(約4935億円、1ドル=150円換算)に跳ね上がり、44番目に大きな暗号資産になった。

市場のリーダーであるビットコイン(BTC)は4週間で28%上昇し、第2位のイーサリアム(ETH)は20%近く上昇している。より広範な市場指標であるコインデスク20指数(CD20)は33%上昇している。

FTMの価格チャート。(CoinDesk)

取引処理速度の向上が期待されるファントムのソニック(Sonic)アップグレードが間近に迫り、その暗号資産への投資家の関心が高まっているのかもしれない。メインネットは、今年の春に既存のオペラ(Opera)からソニックに代わる予定だ。ソニックのテストネットは2023年10月に稼働した。

トラフィックをシミュレートしたクローズド・テストネットでは、理論上の最大スループットが毎秒2000トランザクション(TPS)、ファイナリティまでの時間が1.1秒であることが実証された。記事執筆時点では、オペラメインネットのスループットはわずか3.2TPSだった。

TPSがブロックチェーンが1秒間に処理できるトランザクション数を測定するのに対し、ファイナリティまでの時間はトランザクションが確認され、ブロックチェーンに追加されてから不可逆的になるまでの時間を示す。

今回のアップグレードのもう一つの目玉は、スマートコントラクトの実行速度を大幅に向上させるようプログラムされたファントム仮想マシン(Fantom Virtual Machine:FVM)だ。FVMはイーサリアム仮想マシン(EVM)のコードをそのフォーマットに変換するため、開発者はスムーズに移行できる。この後方互換性は、人気のイーサリアムベースの分散型アプリケーションが簡単にファントムに移行できることを意味する。

「新しいファントムは、特に分散型金融(DeFi)プラットフォーム、ブロックチェーンゲーム、高頻度アプリケーション、モノのインターネット(IoT)において、ファントムエコシステムの新たな可能性を解き放つものだ。スループットと効率の向上により、DeFiプラットフォームの円滑な運用、より豊かなゲーム体験、マイクロトランザクションの効率的な処理、安全なIoTデータ交換が可能になる」とReflexivity Researchは先月発表したレポートで述べている。

しかし、差し迫ったアップグレードは、ファントムの分散型金融エコシステムに対する投資家の関心を復活させるには至っていない。

DeFiLlamaが追跡したデータによると、ファントムのDeFiアプリケーションにロックされたFTMの数は123.85FTMに減少し、2021年5月以来最低となった。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk
|原文:Fantom’s FTM is the Best Performing Non-Meme Token of the Past 30 Days