暗号資産市場はファンダメンタルズよりもビットコインETFのフローに注目:コインベース
  • スポットビットコインETFは初の純流出を記録した。
  • グレイスケール・ビットコイン・トラストからの流出は4日間で18億3000万ドルに達したとコインベースは指摘した。
  • 売り圧力はジェネシス・グローバルの破産管財人から来た可能性があると報告書は述べた。

暗号資産(仮想通貨)市場は、ファンダメンタルズよりもビットコイン(BTC)上場投資信託(ETF)のフローに執着しており、コインベース(Coinbase)は3月22日の調査報告書で2つの商品が2カ月ぶりに純流出したと述べた。

コインベースは、3月18日から3月21日までの純流出額が8億3600万ドル(約1254億円、1ドル=150円換算)に達したと指摘した。ビットコインは先週、流出が加速して6万3000ドルを割り込んだ。最近では約6万6800ドルで取引されている。

報告書によると、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)からの流出急増の原因についてはほとんど解明されておらず、4日間で総額18億3000万ドル(約2745億円)に達したという。

アナリストのアナリストのデビッド・ドゥオン(David Duong)氏とデビッド・ハン(David Han)氏は、これまでの数週間、他のスポットETFへのプラスの流入がGBTCからの流出を相殺し、「その時点である程度の資本のローテーションがあった」ことを示唆していると書いている。 GBTCは他のファンドよりも高い手数料を請求するからだ。

コインベースは、考えられる売り圧力要因の1つは、ジェネシス・グローバル(Genesis Global)の破産管財人によるもので、GBTCの3590万ユニットの売却に相当すると述べた。

これは、ジェネシスが2022年第3四半期にジェミニ・アーン(Gemini Earn)のユーザーから12億ドル(約1800億円)を借りるために担保として差し入れた3090万ユニットとは別のものであると報告書は指摘している。ジェミニはこれらの資産を現物で返還することでジェネシスと和解しており、裁判所の承認後、数週間以内に支払いが行われる予定だ。

コインベースは、最近のGBTCの流出がこれらの売却と関連しているかどうかは明らかではないとし、「GBTC発行済み株式の変動の規模と範囲は、ジェネシスの支払い義務に関する最近の動向と一致していると推測することしかできない」と述べた。

「さらに重要なのは、債権者の支払いの大半が現金ではなく暗号資産で行われることを考えると、ビットコインのパフォーマンスに対する市場の影響は最終的に正味中立になるということだ」と報告書は付け加えた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Crypto Market Remains Focused on Spot Bitcoin ETF Flows Over Fundamentals: Coinbase