ビットコインスポットETF、半減を前に5日間連続の資金流出
  • アメリカのビットコインスポットETFは4月18日、430万ドルの資金流出となり、5日間の流出額は3億1900万ドルを超えた。
  • GBTCが再び流出を牽引し、ブラックロックのIBITへの資金流入は鈍化した。

アメリカを拠点とするスポットビットコイン(BTC)上場投資信託(ETF)は4月18日、累計430万ドル(約6億4500万円、1ドル=150円換算)の資金流出を記録し、強気要素とされるマイニング報酬の半減を前に4日間に及ぶ資金流出がさらに拡大した。

ファーサイド・インベスターズ(Farside Investors)が公表した暫定データによると、4月12日以来、ETFは総額3億1900万ドル(約478億5000万円)以上の資金流出が見られており、グレイスケール(Grayscale)のGBTCが流出の大きな割合を占めている。

例えば、18日にはGBTCだけで9000万ドル(約135億円)の流出という大きな損失が出たが、フィデリティ(Fidelity)のFBTCとブラックロック(BlackRock)のIBITへの流入で一部相殺された。

グレイスケールのETFは、ファンドの手数料体系が比較的割高であることなどの理由から、上場初日から損失を出している。GBTCの資金流出は懸念材料ではないかもしれないが、他のETFへの資金流入が最近鈍化していることは懸念材料かもしれない。

ブラックロックのIBITは18日に1880万ドル(約28億2000万円)の資金を集めただけで、4月5日の月間最高値3億880万ドル(約463億2000万円)から93%も減少した。

「ステーブルコインやアメリカのビットコインETFへの資金流入など、主要な流動性要因は減速している。ETFへの流入は3月12日にピークを迎え、最近では4日連続で純流出が続いている。ビットコイン価格が10~15%下落しても純流入は増加していないため、アメリカのビットコインETFの需要は飽和状態にあるようだ」とMatrixportは19日早朝のマーケットアップデートで述べた。

ビットコインETFの資金流入量(Farside)

コインデスクのデータによると、ビットコインは報道時点で6万4900ドル付近で取引されており、先月の7万3500ドルを超える過去最高値から10数%下落した。

この下げは、アメリカの納税シーズン、FRBの利下げ確率の低下、イランとイスラエルの間の緊張など、いくつかの要因に起因する可能性がある。

「中東の地政学的リスクはビットコインに配分する適格なイベントだったかもしれないが、価格は上昇する代わりに下落した。これは、ビットコインをリスクオフ資産として確立するための真のテストだったが、残念ながら、ビットコインの価格は停滞し、売られたため、やや失敗したと言えるだろう」とMatrixportは付け加えた。

19日の遅くに、ビットコインのブロックチェーンは、1ブロックあたりのコイン排出量を6.25BTCから3.125BTCに半減させ、供給拡大のペースを50%減少させる予定だ。歴史的に、半減は大暴騰を予兆してきたが、上昇トレンドの規模と期間は一貫していない。

暗号資産コミュニティのコンセンサスは、間近に迫った半減によって暗号資産は長期的な強気路線に入るというものだ。しかし、ゴールドマン・サックスや JPモルガンを含む複数のオブザーバーは、そうでない可能性を示唆しており、特に後者は半減後に価格がより深く調整される可能性を示唆している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin Spot ETFs Register Five-Day Withdrawals Streak Ahead of Halving