ヘデラのHBARが急騰──その後、ブラックロックとのつながりが薄いことがわかり25%下落
  • ブラックロックはヘデラブロックチェーンでトークン化されたマネーマーケットファンドのローンチには直接関与していない。
  • トレーダーが最近の急騰を受けてショートしようとしているため、HBARの資金調達率はマイナスになっている。
  • 流動性は依然として出来高に比べて希薄であり、今後の不安定な取引が予想される。

ヘデラ(Hedera)のネイティブトークンHBARは、4月23日に投資家がブラックロック(BlackRock)がヘデラブロックチェーン上のファンドトークン化プロジェクトに関与していると考えたため、107%以上急騰し、その後、25%下落した。

23日にヘデラは、ブラックロックのICS米国債マネーマーケットファンドがイギリスの暗号資産(仮想通貨)取引所Archaxと共同でヘデラブロックチェーン上でトークン化されたと発表した。ソーシャルメディア上のヘデラ支持者は、ブラックロックがファンドのトークン化にヘデラを選んだと主張し始めたが、これは事実ではない。

Archaxのグラハム・ロッドフォード(Graham Rodford)CEOは、ヘデラの誤解を招くマーケティングに対する批判に対し、「(ファンドを)ヘデラに載せるのはArchaxの選択だった」と述べた

ブラックロックは先月、イーサリアム上で米ドル建て機関投資家向けデジタル流動性ファンドを立ち上げ、現実資産(RWA)のトークン化に参入した。

HBARは過去24時間でまだ61%上昇しているが、2%マーケットデプスは比較的薄いままであり、バイナンス(Binance)とアップビット(Upbit)の板では、現在の価格である14セントの2%以内に90万ドル(約1億4000万円、1ドル=155円換算)の累積入札がある。CoinMarketCapによると、このトークンの過去24時間の取引高は26億ドル(約4030億円)を超えている。

CoinGlassのデータによると、すべてのデリバティブ取引所のファンディングレート(資金調達率)は大きくマイナスになっており、これはショートポジションを保有する者がロングポジションを保有する者に手数料を支払わなければならないことを意味し、弱気バイアスを示している。バイナンスのロングとショートの比率は現在0.85だ。

過去24時間で建玉は442%増加して1億6000万ドル(約248億円)に達した。流動性の欠如と相まって、通常の価格に戻るか、ショートスクイーズに至る可能性のある不安定な状況を生み出している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Hedera’s HBAR Doubles, Then Falls 25%, as BlackRock Links Diminish