手のひらスキャンのヒューマニティ・プロトコル、3000万ドル調達──ワールドコインに対抗
  • 手のひらスキャンでID認証を行うヒューマニティ・プロトコルが3000万ドル(約47億円)を調達、評価額10億ドルに達した。
  • 調達した資金は採用と開発費に投じられ、テストネットのローンチは下半期に予定されている。

ゼロ知識証明による分散型IDプロジェクトのヒューマニティ・プロトコル(Human Protocol)は、キングズウェイ・キャピタル(Kingsway Capital)が主導したシードラウンドで評価額が10億ドルに達したと述べた。同プロジェクトは、ワールドコイン(Worldcoin)をライバル視している。

3月初旬のエンジェル投資家やオピニオンリーダーからの150万ドルの投資に続く今回のラウンドには、アニモカブランズ(Animoca Brands)、Blockchain.com、ハッシュド(Hashed)などが参加したようだ。

ヒューマニティ・プロトコルは手のひらスキャンと、プルーフ・オブ・ヒューマニティ(Proof of Humanity)と呼ばれるコンセンサス・メカニズムを使って、分散型システム内でユーザーのID認証を行う。OpenAIのCEOとして知られるサム・アルトマン(Sam Altman)氏が共同創業したワールドコインも同じような目的を持っており、昨年7月、独自開発の虹彩スキャンツールを使ってサービスを開始した。フランスやイギリス、ケニアなど、複数の規制当局はワールドコインへの懸念を表明した。

「プルーフ・オブ・パーソンフッド(Proof-of-Personhood:人間であることの証明)は強力なコンセプトだが、現在存在するソリューションは、個人のプライバシーを侵害し、社会で大きなあつれきを生んでいたため、普及していない」と創業者のテレンス・クウォック(Terence Kwok)氏は述べた。

「我々は、ユーザーのプライバシーとデータの所有権を保護しつつ、個人の特徴やその人の証明を可能にする分散型IDプロトコルを開発している」

調達した資金は採用と開発費に投じられ、テストネットのローンチは下半期に予定されている。

|翻訳:Shun Ide
|編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:benketaro/flickr
|原文:Humanity Protocol Raises $30M at $1B for Decentralized Identification to Rival Worldcoin