ブロックチェーン、金融を超えてサプライチェーンを再構築

金融との関連性を超えて、ブロックチェーンテクノロジーの真の可能性を考えたことがあるだろうか。ブロックチェーンは透明性、安全性、効率性を提供し、プロセスに革命をもたらし、世界中のビジネスに新たなチャンスをもたらす。それゆえ、今後成長が期待されている。

ここでは、純粋な金融の用途にとどまらず、ブロックチェーンテクノロジーを採用する企業にとって、これらの強みがどのようなメリットをもたらすかを見ていこう。

世界的なブロックチェーンテクノロジー市場(業界別)

透明性

ブロックチェーンテクノロジーは透明性に欠けていると誤解されていることが多い。実際には、分散型台帳システムのおかげで本質的に透明性が高い。

各取引は公開台帳に記録されるため、影響を受けた製品を迅速かつ容易に特定できる。この透明性により、サプライチェーンにおける説明責任と信頼が強化され、消費者の安全と製品の完全性が保証される。

シンプルさ

ブロックチェーンテクノロジーは一見複雑に見えるかもしれないが、企業はシンプルな説明と実用的なアプリケーションから恩恵を受けることができる。

GE、IBM、ペイパル(PayPal)、AWS、ウーバー(Uber)、ジョン・ディア(John Deere)、NASAなど、データサイエンスを活用している企業は、現実世界のケーススタディと実用的な洞察に焦点を当てることで、さまざまなセクターにおよぶデータ・ドリブンな知見と、業務の合理化、セキュリティの強化、イノベーションの推進につながる可能性を把握している。

グローバルな普及

ブロックチェーンは、サプライチェーンマネジメント、ヘルスケア、投票システムやデジタルID認証に至るまで、産業アプリケーションに革命をもたらしている。

例えば、AWSはAmazon Managed Blockchainを活用した「Track and Trace」を発表した。これは、数百万件のトランザクションを実行する数千のアプリケーションの需要に合わせて自動的に拡張するフルマネージドサービスだ。

ブロックチェーンによるサプライチェーンの活用には、スケーラビリティ、コスト削減、透明性、プロセス自動化の容易さなどのさらなる利点がある。

持続可能性

一部の大手企業は、持続可能性と労働者の公正な待遇を目的にブロックチェーンを活用している。

最近のニュースでは、オレオ(Oreo)、リッツ(Ritz)、クリフバー(Clif Bar)、キャドバリー (Cadbury)、トブラローネ(Toblerone)といったブランドの親会社モンデリーズ・インターナショナル(Mondelēz International)が、「分散型経済のための持続可能な公開台帳」を謳うヘデラ・ネットワーク(Hedera Network)を管理する団体ヘデラ・カウンシル(Hedera Council)に参加することを発表した。

Web3テクノロジーを活用することで、モンデリーズがビジネスの効率性と持続可能性を高め、顧客エンゲージメントを革新することをカウンシルは期待している。

結論

ブロックチェーン分野における膨大な機会を検討することは、今からでも遅くはない。業界は進化と成熟を続けており、アーリーアダプターは投資機会、技術の進歩、市場の成長から利益を得ることができる。

ブロックチェーンテクノロジーは、さまざまな業界において透明性、安全性、効率性を提供し、金融を超えて、計り知れない可能性をもたらす。誤解を払拭し、機会を受け入れ、情報を得ることで、企業はブロックチェーンの力を活用し、イノベーションを推進し、信頼を育み、持続可能な成長を実現することができる。

|翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:How Blockchain is Reshaping Supply Chains Beyond Finance