機関投資家向け暗号資産レンディングのメープル、DeFiユーザー向けプラットフォーム「シロップ」発表
  • 機関投資家向け暗号資産レンディング企業のメープル・ファイナンスは、新たなレンディング・プラットフォーム「シロップ」とリワード・トークンを発表した。
  • DeFi(分散型金融)ユーザーをターゲットにした、新たなパーミッションレス・サービス「シロップ」は、暗号資産業界最大手の機関投資家への担保付きローンから生み出される15%の利回りを提供する。

暗号資産(仮想通貨)レンディング企業のメープル・ファイナンス(Maple Finance)が新たなプラットフォーム「シロップ」(Syrup)と同じ名称のリワード・トークンを発表した。機関投資家が扱いやすい、利回りを生むデジタル資産と、パーミッションレスなDeFi(分散型金融)の世界を結びつけることが狙いだ。

メープルの「シロップ(Syrop)」は、サークル(Circle)の米ドル連動型ステーブルコイン、USDコイン(USDC)を預け入れることでユーザーに15%の利回りを提供する。ユーザーはLPトークン(流動性提供者トークン)「シロップUSDC(syrupsUSDC)」を受け取るだけでなく、リワード・トークン「シロップ(SYRUP)」の使用から得られるロイヤルティとして「ドリップ(Drips)」を追加の利回りとして受け取ることができると同社は29日にプレスリリースで述べた。

メープルのネイティブトークンであるMPLは、1対1でシロップに移行予定。

多くの中央集権型暗号資産レンディング企業は、過去数年間、大きな打撃を受けた。一方、メープルは、厳格なアプローチのおかげで弱気相場の嵐を乗り切った。徹底したKYC(顧客確認)チェックを行った認定投資家からのパーミッションを得た預金のみを提供することで、規制を重視する機関投資家にアメリカでサービスを提供することができたと共同創業者のジョー・フラナガン(Joe Flanagan)氏は述べた。

「我々は機関投資家へのフォーカスを維持しつつ、DeFiのルーツを持ち続けていきたいとも考えている」とフラナガン氏。

「シロップのローンチによって、より広範なDeFiエコシステムの中での運用が可能になった。これにより、業界最大手の機関投資家に対する担保付きローンから生み出されるものと同等の機関投資家クオリティの利回りをDeFiユーザーに提供できる」

|翻訳:Shun Ide
|編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Unsplash
|原文:Crypto Lending Firm Maple Finance Unveils Syrup Yield Platform and Rewards Token