史上初の仮想通貨デリバティブ関連法案を採決へ:米議会

米議会は近く、商品先物取引委員会(CFTC)の仮想通貨デリバティブ市場に対する権限について新しい情報をもたらす法案の決をとる。

2019年CFTC再授権法の条項は、CFTCがデジタルコモディティ契約やコモディティスワップについての情報をいかに収集するかを明確にしている。同法案はCFTCを監督する下院農業委員会で全会一致で可決され、下院本会での採決を待っている。

可決されればこの法案は、CFTCに対して課される、議会命令によるデジタルコモディティに特化した初の要件となる。さらに、法案の起草者である民主党のショーン・パトリック・マローニー(Sean Patrick Maloney)下院議員(ニューヨーク州)によれば、同法案はすでに議会委員会を通過した史上初の仮想通貨デリバティブ関連法案である。

「議会が仮想通貨について賢明になり、デジタル通貨を規制するための統合的アプローチを生み出す時です」とマロニー議員は声明の中で述べ、次のように続けた。「この条項は、デリバティブ市場における暗号資産の規制の隙間を埋め、市場操作に対抗し、不正を検知するための議会の取り組みにおける、非常に大切な最初の一歩です」

条項自体は短く、CFTCはデジタルコモディティによって支えられている契約市場の「取引とトレーダーのデータ、そして商品取引所がアクセス可能であるべきその他の情報の内容とその利用可能性を詳細に規定する規則を採用する」と記されている。

ほぼ同一内容の次に続く段落では、スワップ取引を実行する市場に対して同じ要件を課している。

CFTCの広報担当者はコメントの求めに応じて、CoinDeskに対しヒース・ターバート(Heath Tarbert)委員長の声明を提供した。ターバート委員長はその中で、超党派の法案を通過させた農業委員会を称賛した。

「1日に4兆ドル(約435兆9000億円)を超える想定元本の取引が行われる我が国のデリバティブ市場の堅実な規制は、アメリカ経済とすべてのアメリカ人の家計の健全性にとって必要不可欠です」とターバート委員長は述べ、次の通りに続けた。

「両院の両党の議員と協力し、法案が形になるのを楽しみにしています」

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:CFTF Chair Heath Tarbert image via CoinDesk archives
原文:US Congress Weighs Bill Spelling Out CFTC’s Crypto Derivatives Oversight