ストラテジー社のビットコイン購入計画、約12兆円へと拡大──ウォール街のアナリストらも支持

ベンチマーク（Benchmark）とTDコーウェン（TD Cowen）の両社は、ストラテジー（Strategy）社の新しい資本調達戦略を野心的だが信頼できるとし、「買い」の格付けを維持した。
ストラテジー社は、2025年までにビットコインイールドを25％、ビットコインゲインを150億ドル（約2兆円、1ドル＝144円換算）とすることを目標としている。
ストラテジー社はすでに283億ドルを調達しており、今後32カ月でさらに567億ドルの調達を目指している。

ウォール街のアナリストらは、ストラテジー社が資本調達の目標額を倍増させる計画を発表したことを受け、同社によるビットコイン（BTC）購入戦略の積極的な拡大を強く支持している。

「ストラテジー社のビットコイン購入戦略を模倣しようとする企業の数は急速に増え続けているが……ストラテジー社は昨日、その先行者利益の大きさと、ビットコインの蓄積を加速させる能力が、プラットフォームの規模が拡大するにつれて増加し続けていることを再認識させた」と、ベンチマークのマーク・パーマー（Mark Palmer）氏は述べ、「買い」格付けと650ドルの目標株価を改めて表明した。

ストラテジー株はビットコイン保有額の2倍以上で取引されているが、パーマー氏は、エグゼクティブ・チェアマンのマイケル・セイラー（Michael Saylor）氏とチームの「財務運営を通じて株主価値を創造する実証された能力」のおかげで、この水準は「魅力的」だと言う。

ストラテジー社は5月1日の夕方、第1四半期決算を発表すると同時に、「21/21計画」と呼ばれる、普通株式と負債（または負債に似た証券）の発行により420億ドルを調達する計画を、総額840億ドルに拡大することを発表した。

一方、TDコーウェンのランス・ビタンザ（Lance Vitanza）氏は、更新された戦略が野心的であることを認めつつ、「意欲的かもしれないが、決して不可能ではない」と述べた。

TDコーウェンは、ストラテジー社が当初の21/21計画ですでに283億ドルを調達しており、同社の1110億ドルという大きな時価総額と深い取引流動性が新たな資金調達努力の信頼性を高めていると指摘した。

1日の平均出来高が56億ドルであることから、ビタンザ氏は「買い」評価と550ドルの目標株価を維持し、今後32カ月でさらに567億ドルを調達することが現実的であると示唆した。

両アナリストはまた、2025年のビットコインイールド（ビットコイン保有量と想定希薄化後発行済み株式数の比率の期中変化率）目標を25％（15％から）、ビットコイン$ゲイン（期初に企業が保有するビットコイン数に当該期のビットコインイールドを乗じて算出されるビットコインゲインのドル価値を表す指標）を150億ドル（100億ドルから）に引き上げるなど、ビットコイン関連の業績目標を引き上げるというストラテジーの決定を称賛した。

ベンチマークのパーマー氏は、ストラテジー社がわずか4カ月で当初のビットコインイールド目標の90％をすでに達成していると指摘した。

ビットコインが9万7000ドル弱で足踏みを続ける中、マイクロストラテジーの株価は1.8％高の388ドルとなっている。