シンセティックス、2700万ドル相当のトークンスワップ取引でDeriveの買収を提案
  • シンセティックスのメンバーが、2700万ドル規模のトークンスワップ取引によってDeriveを買収する提案を行った。
  • この買収では、DRVトークン1枚につきSNXトークン27枚に交換する比率が適用され、さらにロックアップ期間と段階的権利確定スケジュールが設けられている。
  • この提案は両コミュニティの承認が必要だが、Deriveコミュニティ内では評価額や利益に対する懸念から批判の声が上がっている。

イーサリアム(Ethereum)ベースのデリバティブ大手シンセティックス(Synthetix)は、2700万ドル(約39億1500万円、1ドル=145円換算)相当のトークンスワップ取引でオプション取引プラットフォームDeriveの買収を検討している。この取引が成立すれば、Deriveは誕生したプロトコルに再び統合されることになる。

この提案(シンセティックスのSIP-415とDeriveのDIP)は両コミュニティの承認が必要で、承認されればDeriveの財務、コードベース、オペレーションスタックがシンセティックスに統合される。

この取引は、分散型金融(DeFi)におけるトークンスワップによる買収の稀な事例であり、シンセティックスのエコシステム拡大の一環として提案されている。DeriveのDRVトークン保有者は、保有するDRV1枚につき27枚のSNXトークンを新規発行で受け取ることになる。これらのトークンは3カ月のロックアップ期間と9カ月のリニアベスティング(段階的権利確定)期間が適用される。シンセティックスは最大2930万SNXをミントし、これは現在のトークン供給量の約8.6%のインフレーションに相当する。

DeriveはもともとLyraとして2021年にサービスを開始し、シンセティックスからスピンアウトした経緯を持つ。その後、シンセティックスのステーブルコインであるsUSDのサポートを終了し、流動性プロバイダーをGMXに切り替え、自身の永久先物商品を立ち上げるなど独自路線を歩んできた。

Deriveコミュニティからの初期の反応では、このアイデアに対する不満が目立っている。

「Deriveにとってのメリットが見えない一方、シンセティックスにとってはすべてが素晴らしく有利に見える」とあるメンバーはコメントしている。

別のメンバーは提案された評価額を批判した。

「その交換レートはDeriveプラットフォームの価値を適切に反映していない」とRamjoは述べた。「さらに、長いロックアップ期間を設定する神経が理解できない」。

CoinGeckoのデータによると、DRVの価格は過去24時間で20%下落している一方、SNXは7%上昇している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Sfio Cracho/Shutterstock
|原文:Synthetix Considers Purchase of Options Platform Derive in $27M Token-Swap Deal